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Assassin s Creed II (アサシン クリードII) ジャンル:アクションアドベンチャー・ステルス ハード:Xbox 360・プレイステーション3 発売元:ユービーアイ ソフト 発売日:2009/12/3 【CEROレーティング「Z」】 ユービーアイソフト・アサシンクリードII公式HP
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ASSASSIN S CREEDシリーズリンク ※設定上の時系列は『ODYSSEY』→『ORIGINS』→『MIRAGE』→『VALHALLA』→『I』→『BLOODLINES』→『II』→『BROTHERHOOD』→『REVELATIONS』→『CHINA』→『IV』→『FREEDOM CRY』→『ROGUE』→『LIBERATION』→『III』→『UNITY』→『INDIA』→『SYNDICATE』→『RUSSIA』の順。現代編は発売順と同じ(スピンオフには現代編なし)。 機種 タイトル 時代設定 主な舞台 概要 判定 本編シリーズ PS3/360/Win ASSASSIN S CREED 12世紀末 エルサレム周辺 紆余曲折あって発売された、考古学ステルスアクションシリーズ第1作。この頃はまだ粗も多かった。 なし ASSASSIN S CREED II 15世紀・ルネサンス期 イタリア各所 前作をオープンワールドマップへと改良し、『ASSASSIN S CREED』を人気シリーズに押し上げた名作。「世界一安いイタリア旅行」に行こう。 良 ASSASSIN S CREED BROTHERHOOD 広大なローマを舞台に、エツィオがマスターアサシンとして教団を導いていく過程が描かれる。シリーズ初のマルチプレイを搭載。前作から改良されたシステムは未だ評価が高くマルチプレイも好評。 良 ASSASSIN S CREED REVELATIONS オスマン帝国 エツィオサーガ最終章。舞台はイタリアからコンスタンティノープルへ移り前2作とは雰囲気が異なる。『I』から断片的に描かれてきたアルタイルの動向も語られ、2人のアサシンの物語がここに完結する。 良 PS3/360/WiiU/Win ASSASSIN S CREED III 1753~1783年 北アメリカ東海岸 ストーリーは独立の熱気高揚するアメリカへ移り、現代編の物語も一区切り付く。新エンジンによりグラフィックはさらに進化し、船で大海原を冒険する海洋ミッションが新登場。シングルプレイのボリュームも増大した一方で、多数のバグや新システム等の賛否が分かれる点もあり。 なし PS3/360/WiiU/Win/PS4/One ASSASSIN S CREED IV BLACK FLAG 1715~1725年・海賊黄金時代末期 カリブ海 広大なカリブ海をオープンワールド化した意欲作。『III』で好評だった海戦が大幅にパワーアップし、海賊ゲーだけでなくゲームプレイもより快適に。その一方で、武器ホイールと弟子システムの廃止には賛否が分かれている。 良 PS3/Win/PS4/One ASSASSIN S CREED ROGUE 1756~1763年 北大西洋 『III』『IV』と続いたケンウェイサーガの最終章。テンプル騎士団へ寝返った元アサシンが主人公。旧世代機における『ASSASSIN S CREED』シリーズの集大成と言える作品。 良 PS4/One/Win ASSASSIN S CREED UNITY 18世紀末・フランス革命期 パリ フランス革命の裏で暗躍するアサシンの物語だが、ストーリーは革命にほとんど絡まない。前評判の高さに反し、多数の不具合から『III』以上に賛否の分かれる作品となってしまった。次世代機のスペックにより緻密に再現されたパリの街並みや一新されたフリーランは好評。 賛否両論 ASSASSIN S CREED SYNDICATE 1868年・ヴィクトリア朝時代 ロンドン 近代化が進む大都市でアサシンとテンプル騎士団の戦いは続く。尖りすぎた前作の反省を活かしたのか、今作はバグも少なくゲームバランス的にも遊びやすい。 良 PS4/One/Win/XSX(*1) ASSASSIN S CREED ORIGINS 紀元前48年 エジプト プトレマイオス朝末期の古代エジプトを舞台に、陰謀に立ち向かうアサシン教団の起源を描く。副目標などミッションごとの評価が全廃され、代わりにレベル制が導入されたRPG寄りの作風に。だがその弊害でレベル差があると暗殺ができず、これは下記『ODYSSEY』にも引き継がれてしまっている。 良 PS4/One/Switch/Win/XSX(*1) ASSASSIN S CREED ODYSSEY 紀元前431年 ギリシャ ペロポネソス戦争中の古代ギリシャを舞台に、かつて来たりし者の遺産にスポットを当てるRPG。オープンワールド海戦が美しいエーゲ海を舞台に復活、遺跡巡りも相まって歴史ファンにはたまらない作品。一方でアサシンブレード本編未登場、会話選択肢によるシナリオ変化等、シリーズとして異端な一面もあり。Switch版はサブスクリプション制クラウドゲームとしての提供となる。 良 PS5/XSX/PS4/One/Win ASSASSIN S CREED VALHALLA 9世紀末 イングランド 9世紀の北欧よりイングランドを目指すヴァイキング達を描く。確殺の復活やレベル比例パラメーター廃止等、RPG路線からの脱却が図られている。日本語版は発売当初、流血表現の規制があったが現在は修正済み。規制に関連して起こった珍騒動も話題に。 ASSASSIN S CREED MIRAGE 9世紀・イスラム黄金時代 バグダッド シリーズ15周年記念作品。アッバース朝のバグダッドを舞台に、『VALHALLA』に登場したバシムの若き日の活躍を描く。従来のアクションアドベンチャーに回帰し、システムも初期シリーズに寄せられている。 スピンオフ PSP ASSASSIN S CREED BLOODLINES 十字軍時代 中東 『I』と『II』の間を繋ぐスピンオフ。PS3版『II』との連動要素あり。雰囲気は『ASSASSIN S CREED』だがボリュームが致命的に少ない為に評価は低い。 なし PSV ASSASSIN S CREED III LIBERATION 1765~1777年 ニューオーリンズ 『III』のスピンオフ。3種のペルソナに変身する初の女性アサシンが主人公。日本では『アサシンクリードIII レディリバティ』のタイトルで発売されている。 PS3/Win ASSASSIN S CREED III LIBERATION HD DL専売。上記のHDリマスター + 改訂版。Win版は国内でも原題のまま発売(日本語非対応)。一方、国内PS3版のみタイトルが『アサシンクリードIII レディリバティ HD』になっている。 PS4/PS3/Win ASSASSIN S CREED FREEDOM CRY 1735~1737年 ポルトープランス DL専売。『IV』のDLCのスタンドアローン版。本編でも活躍したアドウェールが主人公。日本ではオリジナルのDLC同様『アサシンクリード 自由の叫び』のタイトルで配信されている。 PS4/One/Win ASSASSIN S CREED CHRONICLES CHINA 1526年 明朝中国 DL専売。低価格・2.5Dの横スクロールアクションとして発売された傍流シリーズの始まり。エツィオの元で修業を終え帰国したシャオ・ユンが中国アサシン教団再興の為に戦いを始める。 良 ASSASSIN S CREED CHRONICLES INDIA 1841年 シク王国インド DL専売。日本未発売のコミック『ASSASSIN S CREED BRAHMAN』の2年後が舞台。元盗賊のアサシンであるアルバーズ・ミールと、欧州の東インド会社が戦いを繰り広げる。宝石・お姫様・地下迷宮と「千夜一夜物語」を彷彿させる、シリーズでは異色の世界観。前作『CHINA』と比べるとアスレチック要素が重視されており、難易度はかなり高い。 ASSASSIN S CREED CHRONICLES RUSSIA 1918年 ロシア DL専売。日本未発売のコミック『ASSASSIN S CREED THE FALL』と続編『THE CHAIN』を繋ぐ物語。ロシアのアサシンであるニコライ・オレロフが、十月革命後にアメリカへ亡命する直前の出来事を描く。狙撃を得意とするニコライの他、戦闘スタイルの異なる別キャラを操作するパートが特徴。20世紀ということで近代兵器が多数登場し、従来シリーズと雰囲気が異なる。 Quest ASSASSIN S CREED NEXUS VR 15世紀・ルネサンス期1753~1783年紀元前431年 イタリア各所北アメリカ東海岸ギリシャ 日本語未対応。 ディスカバリーツアー Win Discovery Tour by Assassin’s Creed Ancient Egypt 紀元前49年 エジプト 『ORIGINS』の無料アップデートで追加されたディスカバリーツアーを単体化した学習用ソフト。レーティングが全年齢向けになったが為に、彫刻にセルフ検閲が入ってしまっていることが賛否両論に。 Discovery Tour by Assassin s Creed Ancient Greece 紀元前431年 ギリシャ 『ODYSSEY』のディスカバリーツアーを単体化した学習用ソフト。 Discovery Tour by Assassin s Creed Viking Age 9世紀末 イングランド 『VALHALLA』のディスカバリーツアーを単体化した学習用ソフト。 カップリング・オムニバス PS3/360 ASSASSIN S CREED I+II ウェルカムパック 『I』『II スペシャルエディション』のカップリング。 ASSASSIN S CREED EZIO SAGA 『II』『BROTHERHOOD』『REVELATIONS』をまとめて収録。本編に加え「アサシンクリード エンサイクロペディア ブラックエディション」を付属。 PS3 ASSASSIN S CREED CONNOR SAGA 『III』『LIBERATION HD』のカップリング。本編に加え「アサシンクリード エンサイクロペディア ホワイトエディション (第二版)」を付属。 PS4/One/PSV/Win ASSASSIN S CREED CHRONICLES 『CHRONICLES』の『CHINA』『INDIA』『RUSSIA』をまとめて収録。パッケージ版の発売はPS4/PSVのみで、One/WinではDL専売となっている。 PS4/Switch ASSASSIN S CREED EZIO COLLECTION 『II』『BROTHERHOOD』『REVELATIONS』のリマスター版をまとめて収録。本編に加え映像作品『Lineage』『Embers』を収録。マルチプレイは非収録。 PS4/One/Switch/Win ASSASSIN S CREED III REMASTERED 4K解像度に対応した『III』『LIBERATION(*2)』のリマスター版をカップリング。『ODYSSEY』のシーズンパスに収録されるほか、単品でも販売されている。 Switch ASSASSIN S CREED REBEL COLLECTION 『IV』『ROGUE』のカップリング。本編に加え全てのDLCを同時収録。 Win ASSASSIN S CREED Ezio Auditore Pack 『II Deluxe Edition』『BROTHERHOOD』『REVELATIONS』をまとめて収録。UBIコネクト専売。 ASSASSIN S CREED American History Pack 『III』『LIBERATION(*3)』のリマスター版と『IV』『FREEDOM CRY』『ROGUE』をまとめて収録。UBIコネクト専売。 ASSASSIN S CREED Modern Revolutions Pack 『UNITY』本体 + DLCx2本と『SYNDICATE Gold Edition』をカップリング。UBIコネクト専売。 国内未発売 機種 タイトル 時代設定 概要 判定 DS/iOS ASSASSIN S CREED ALTAIR S CHRONICLES 十字軍時代 初代の前日談。ただし本編と設定が異なる点が多く、実質的にパラレル扱いされている。 ASSASSIN S CREED II DISCOVERY ルネサンス期 『II』終盤における空白の時期が舞台。エツィオは異端者として捕らわれたアサシンを救う為、魔女狩り吹き荒れるスペインへ向かう。2016年の映画版『ASSASSIN S CREED』の過去パートは本作の翌年にあたり、コロンブスは本作の時点でアサシンに関わっている。 モバイル 当Wikiでは評価対象外 機種 タイトル 時代設定 概要 Assassin s Creed Recollection ルネサンス期 iOS Assassin s Creed Multiplayer Rearmed ルネサンス期 『II』のスピンオフ。 iOS/Android Assassin s Creed Pirates 海賊黄金時代末期 『IV』のスピンオフである海賊ゲー。 iOS Assassin s Creed Memories 複数の時代と地域 カードバトルRPG。 Assassin s Creed Identity ルネサンス期 Assassin s Creed Project Legacy 『BROTHERHOOD』と連動したFacebookアプリ。 Assassin s Creed Rebellion 複数の時代と地域 関連作品 機種 タイトル 概要 判定 PS3 メタルギアソリッド4 ガンズ・オブ・ザ・パトリオット アルタイルの衣装が登場。 なし PSP メタルギアソリッド ピースウォーカー イーグルダイブや藁束(型のダンボール)からのカバーアサシンが登場。 なし PS3/360 ソウルキャリバーV エツィオがゲストプレイヤーキャラとして参戦(外観は『BROTHERHOOD』準拠)。 なし ファイナルファンタジーXIII-2 『REVELATIONS』版エツィオのコラボコスチュームのDLCが配信。 なし PS4/One/Win ファイナルファンタジーXV 『ORIGINS』のバエクの衣装が登場、『ORIGINS』側にもキャラがゲスト出演。PS4/One版のみ、期間限定でコラボクエストが実施されていた。 なし ゴーストリコン ワイルドランズ 『4』とのコラボコスチュームのDLCが配信。 PS5/XSX/Switch/PS4/One/Win/Mac/iOS/Android FORTNITE ゲーム内でコラボレーションが行われた。 Switch 大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL 剣術Miiコスチューム「アルタイルのぼうし+ふく」のDLCが配信。 良 PS5/XSX/PS4/One/Switch/Win IMMORTALS FENYX RISING 『ODYSSEY』開発陣によるギリシア神話の世界が舞台のオープンワールドアクションRPG。ワシ使いの衣装と髪型がリワードとして配信。 不安定 PS5/XSX/PS4/One/Win Riders Republic シリーズ15周年記念コラボイベントが期間限定で開催。 良 Destiny 2 『VALHALLA』とのコラボでヴァイキング風のコスチュームが登場。 Watch Dogs ハッキングをテーマにしたオープンワールドアクション。『ASSASSIN S CREED』シリーズと世界観を共有していた。 FARCRYシリーズ 無法地帯を舞台とするオープンワールドFPSシリーズ。『3』のみ世界観を共有している。また、『Primal』や『5』にもイースターエッグとして本シリーズの要素が隠されている。 プリンス オブ ペルシャシリーズ パルクールを駆使してダンジョンを駆け抜けるアクションゲームシリーズ。スピンオフからの路線変更により『ASSASSIN S CREED』が誕生した。 シリーズ解説 ユービーアイソフトが展開する、歴史上に暗躍したとされる暗殺者を題材にしたステルスアクションゲームシリーズ。日本では『アサクリ』の略称で親しまれている。 アサシンの子孫である現代の青年デズモンド・マイルズが、アブスターゴ社の開発した先祖の記憶を疑似体験するシステム「アニムス」にて様々な時代を舞台に歴史的事件を追体験。 同時にアブスターゴの裏にいる秘密結社「テンプル騎士団」が探し求める「エデンの林檎」を巡る戦いに巻き込まれていくというストーリー。 主人公はあくまでデズモンド等(*4)、メインとなるアニムス内で操作するアサシンがもう1人の主人公であり、タイトルごとに時代と共に変更される。 パルクールを取り入れたフリーランアクションが最大の特徴で、建物の壁や屋根を自在に飛び移って移動することが出来る。 マップもこの要素を活かすようにオープンワールド形式で、広大な街中を自在に飛び回りターゲットを暗殺していく事となる。 また、舞台となる時代の風景を緻密に再現した世界観も好評で、シリーズを人気作品に押し上げた『II』は「世界一安いイタリア旅行」と宣伝された。 ゲームエンジンは自社開発の「Anvil (旧名:Scimitar)」を採用しており、主人公・舞台・ハードの世代交代などのタイミングでエンジンも一新されている。 現代編のストーリーは『III』で一端は区切られたものの、その後も年に1作という早いペースで作品がリリースされることから乱発されているという批判も強い。 実際、このペースの早さが災いして『UNITY』では大量のバグや最適化不足による質の低下を招いてしまい、株価にも影響が出てしまった。 これを受けてか、ユービーアイソフトから2016年におけるシリーズ休止宣言(*5)が出ていた。 メディアミックスが盛んで、小説とコミックに映画やアニメ等でゲーム本編と直接リンクするストーリーが展開されている。日本でも現代編が追加された『CHINA』の漫画版が2019年から連載中。 インカ帝国や百年戦争の他、第二次世界大戦やセイレム魔女裁判などのようなゲームで扱うことが困難とされる近代の事件も題材になっている。 特に現代編のストーリーは『IV』以降、ゲーム以外のメディアが中心となり、ゲーム中のそれは他メディア版との繋ぎ的な内容に留まっている。 しかし日本ではこれらがローカライズされておらず、日本語化されているのは本編ノベライズを除くと『II』の前後を描いた実写ショートムービーとアニメ、2016年(日本では2017年)上映の映画版とその小説版、『ORIGINS』の前日談のみ。 しかも、その中で現代編が描かれているのは映画とその小説版だけである。その為、我々が触れられるゲーム本編だけだとどうしてもストーリーの説明が不足するのが日本固有の難点である。 一応、2019年には『ODYSSEY』までのストーリーと背景をまとめた設定資料本である『アサシン クリード エッセンシャルガイド』の邦訳版も発売されている。 同書には未邦訳メディアミックス作品のあらましも掲載されているので詳細が知りたいのであれば同書の購入を勧める。 なお、2020年にPS5/XSXのローンチタイトルとして発売された『VALHALLA』は、ユービーアイソフト史上2番目に大きな利益を上げていることが公式で発表されている(参照)。 それに加えて、シリーズの次世代プロジェクトとされている『ASSASSIN S CREED INFINITY』ではライブサービスのオンラインプラットフォームが採用され、日本を含む複数の時代を舞台として長期的に展開される予定。 用語解説 各記事を読む上で理解しやすいように本シリーズの固有名詞について(ネタバレをしない形で)最低限の解説をする。 アサシン教団(Assassins / Brotherhood) 民衆の自由を尊重し、権力者による横暴や人間の自由意思を失わせるような弾圧に立ち向かう世界規模の秘密結社。 現実のイスラム教における「暗殺教団」をモデルにしているが、それ以前にも「隠れし者」などとしてすでに存在しており、それ故に構成員の国籍・宗教は様々である。 歴史の変わり目には必ずと言ってもいいほど彼らによる介入が行われてきており、後述するテンプル騎士団に対しても幾度かその野望を阻止してきた。 ただの単なる殺人者集団として排斥されることを防ぐため、「罪なき者には刃を向けず、表舞台には立たず、同志を危険に晒してはいけない」という3つの信条(Creed)を掲げ戦っている。これこそがタイトルにもなっている「ASSASSIN S CREED (暗殺者の信条)」である。 だが、現代の教団は2000年に裏切り者の手によってもたらされた「大粛清」により壊滅的な被害を受けて離散状態に陥り、一握りのアサシンの末裔と構成員が残る程度の窮地に立たされている。 テンプル騎士団(Templar Order) 人間の自由を奪い、完全なる管理社会を作ることを目的として暗躍する秘密結社。遥か過去では「古き結社」等と呼ばれていたが、有史以前から各国を牛耳っている点は変わらない。 教団とは平和な世界という最終目標こそ同じだが、自由対支配という相容れないイデオロギーの対立を抱えており、双方の構成員同士で幾千年もの間刃を交える関係が続いている。 時代に合わせ組織としての形も変え、十字軍時代ではすでにこの名前で歴史の表舞台に立ち始めている。現代では私設軍隊も抱える大手複合企業・アブスターゴ社を表向きの隠れ蓑として活動しており、世界中に侵食を続けている。 アニムス アブスターゴ社が開発した遺伝子の中の記憶の追体験が行える機器。 人間には遺伝子の中に祖先の全記憶が残されている(*6)という理論で、これをVRに投影することで祖先の行動を体験できる。 当初は被験者自身の先祖の記憶しか覗けなかったが、作中の技術進歩により遺伝子のサンプルさえ存在すれば自分と血縁関係のない人物の祖先の記憶も観覧できるよう改良され、アミューズメント施設としての応用もされている。 アブスターゴ社は本機を利用することで下記の「エデンのかけら」の行方を探ろうとしている。 かつて来たりし者 有史以前に地球上に超高度な文明を築いていた者たちのこと。古き者・第一文明人・先駆者・イス族など様々な別称が存在するが、それら全てが同一の存在を指している。 彼らのテクノロジーは現代の我々のそれをしのぐ物らしく、近現代では地球の各地に眠っているそれらのオーパーツを「エデンのかけら」と呼んでおり、その争奪戦がシリーズの主軸となる。 これらの遺物を操れれば世界・全人類の意思を支配することも容易にできる為、アブスターゴ社ないし結社はアニムスを用いてかけらの所在地と使用法を探っている。かつて来たりし者の痕跡は遺物にとどまらず神話伝承や血統といった形で現代にも残っており、それらに縁がある教団は結社の阻止に力を尽くしている。
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ASSASSIN S CREED 【あさしん くりーど】 ジャンル アクションアドベンチャー 対応機種 Xbox 360プレイステーション3 販売元 ユービーアイソフト 開発元 ユービーアイソフト モントリオール・スタジオ 発売日 【360】2007年11月21日【PS3】2008年1月31日 定価 7,329円(税込) レーティング CERO Z(18才以上のみ対象) 廉価版 【360】プラチナコレクション 2008年11月6日/2,940円【PS3】UBI the BEST 2008年12月4日/2,940円【PS3/360】ウェルカムパック 2012年7月19日/2,940円 判定 なし ポイント オープンワールド暗殺アクションのシリーズ第1作「フリーランニング」で広大な箱庭を自在に駆け巡れる1000年の時を行き来する独自の世界観第1作であるが故にまだまだシステムの粗さが目立つ ASSASSIN S CREEDシリーズ ASSASSIN S CREED DIRECTOR s CUT EDITION 【あさしん くりーど でぃれくたーずかっとえでぃしょん】 対応機種 Windows XP/Vista 発売日 2008年5月16日 定価 パッケージ版 6,090円(税込)Steam/Amazon 1,980円 備考 新規ミッションが4種類追加日本語未対応 判定 なし 概要 ストーリー 特徴 システム 評価点 賛否両論点 問題点 総評 余談 ليس هناك ما هو صحيح ، فكل شيء مباح. 真実は無く、許されぬことなど無い 概要 アサシン教団の一員アルタイルとして任務を遂行することを目的とした、潜入アクションゲーム。 オリジナルタイトルである『ASSASSIN S CREED』は、日本語に訳すと「暗殺者の信条」となる。 オープンワールド型のマップを縦横無尽に駆け回る高いアクション性を有している。 2006年のE3においての「ベストアクションアドベンチャー賞」などの数多くの賞を受賞するなど大きなインパクトを残した。 後に本作の要素を踏襲したシリーズ作が多数リリースされ人気シリーズとはなったものの、本作は第1作ゆえの粗さも垣間見える。 ストーリー 21世紀のニューヨーク。バーテンダーの「デズモンド・マイルズ」は、静かにつつがない日々を送っていた。だが、ある時謎の人物達により拉致され、「被験体17号」として扱われる。アニムスと呼ばれる特殊な装置に入れられた彼は、遺伝子深くに刻み込まれた先祖――アルタイル・イブン・ラ・アハドの記憶を呼び覚まさせられる。アサシン…それは、1096年より始まった十字軍遠征の際、抵抗勢力として彼らが遭遇したイスラムの暗殺者教団のことである。特別な暗殺・戦闘訓練を施され、特殊な戒律によって統率された彼らは、神の名の元に戦う十字軍兵達を恐怖に陥れた。1191年。聖地エルサレムを奪い合う十字軍とイスラム教団の戦いは泥沼と化していた。聖地では混乱が続き、市民達は恐怖におびえる日々が続く。「アルタイル・イブン・ラ・アハド」は、若くしてアサシン教団の最高位であるマスター・アサシンにまで上り詰めた。彼はとある秘宝奪還の命を受けたものの、彼の若さと高い実力ゆえの傲慢な性格が災いし、アサシン教団の戒律を3つ全て破ってしまう上に任務に失敗する。処刑されそうになるものの、アサシン教団の長「アル・ムアリム」はアルタイルの才能は使えると判断し、彼を見習いへと降格させ、9人の標的を暗殺する任を命じた。アルタイルは標的を着実に暗殺していく中、驕りによって忘れかけていた「暗殺者の信条(ASSASSIN S CREED)」をとり戻していくが、同時に9人の共通項、そしてその裏側の存在へと気付いていく。そしてデズモンドを拉致して、祖先の記憶を辿るよう強制した謎の集団の目的とは…? 特徴 12世紀末のエルサレム周辺を舞台にした3Dアクションアドベンチャーゲーム。 オープンワールド風の複数マップを自由自在に走ったり壁に張り付き登攀したりと、実在のスポーツ「パルクール」を元にした「フリーランニング」で自動的に複雑な地形を乗り越えながら移動できるのが魅力。 ゲーム展開そのものは選択肢の無い一本道。ストーリーはゲームの大半を占める過去パートと、それ以外の現代パートとが絡み合って進む。 システム 画面左上にシンクロ・バーとソーシャル・ステータスが表示されている。 シンクロ・バーはデズモンドとアルタイルがシンクロしている比率を示すが、おおむねライフバーと同じと考えて差し支えない。 アルタイルが怪我をするだけでなく、戒律を破った場合(無関係の一般人を殺傷するなど)でも、シンクロ・バーは減少する。 シンクロ・バーが0になってもHUDが非表示になるだけでまだ行動は行えるが、さらにダメージを受けたときにシンクロ解除(ゲームオーバー)になり、すぐに前回チェックポイントに巻き戻される。 操作チュートリアルの過程で増加し、プロローグの時点で13マスあったシンクロ・バーは、その後の降格事件によって本編開始時に4マスまで低下する。 さらに自分が敵の誰かに感知されている状態であるか否かがシンクロ・バー横のアイコンで「ソーシャル・ステータス」として明示されている。 一般人に近い存在として群衆に紛れている「ソーシャルステルス」などの平常状態ならシンクロバーが自動回復するが、敵になりうるNPCの視界内で壁を登るなどの目立つ行動をして注目されると黄色に点滅。 そして、敵に発見されている状態だとアイコンが赤く染まり、回復速度は大幅に減る。 左アナログスティックで前後左右に移動。右アナログスティックで視点を移動させる。 A・B・X・Y(PS3版は×・○・□・△)はそれぞれ順に足・手・攻撃・頭に関する動作で分けられている。 LT(L1ボタン)短押しでロックオン。RT(R1ボタン)は押していなければステルス向きの行動(Low-Profile)、押しながらではアクション向きの行動(High-Profile)になる。 RTを押しながら移動で走れる他、RT+Aボタン(R1+×ボタン)を押しっぱなしで移動すればスプリント/フリーランニング。 壁に接触すれば壁をよじ登り、遠く離れた場所に足場があればそこに向かってジャンプするなど、自動で地形をジャンプしていく。 RT+Bボタンを押しながら崖の外側に移動すれば、崖にぶら下がるなどして壁面を安全に降りることができる。高所からの落下に悩まされがちな3Dアクションではありがたい操作。 高所の特定場所からは、地面の藁山に自由落下しながら飛び込む「イーグルダイブ」という特殊ジャンプが可能。無傷で着地できる上、干し草は姿を完璧に隠せるのでステルス行動としても有用。 街の塔にはビューポイントが設定されており、ここに登って「シンクロアクション」を行うと周囲のマップ情報が開放される。 シンクロ・バーがフルの状態でYボタン(△ボタン)の一人称視点を使うと「タカの眼(*1)」という能力が使える。 タカの眼使用中は周囲がモノトーンの独特な光景になり、敵や暗殺の標的、隠れ場所などが異なる色に光り、瞬時に判別できるようになる。 アルタイルは任務をこなしていくことで過去の階級を取り戻し、降格とともに失ったシンクロ・バーが再度拡張される他、封印されていた武器・アクション能力なども解禁される。武器はそれぞれ一長一短があり、場面に応じて使い分けが必要。 「アサシンブレード」:初期装備。アルタイル始め作中のアサシン達が左手に装備している、飛び出し式の隠しブレードが付いた仕込み籠手。アサシンの象徴的武器であり、ブレードの飛び出しを阻害しない様に、アサシン達は左手の薬指を切り落としているという。その存在は街中で抜刀しても気づかれることは無く、気付かれていない状態ならば一撃で倒すことができる、近接暗殺にうってつけの装備。反面、直接戦闘では「能動的な攻撃ができない・受け流し(ガード)ができない・カウンター判定が非常にシビア」と使いづらい武器となっている。 「剣」:事実上の初期装備。任務中、どうしても追っ手と正面切って戦わねばならない場面が多々あるが、そんなときは基本これの出番。(敵の攻撃への)受け流し力が強く直接攻撃の威力も高い分、モーションのスキが大きい。ゲームを進めるとグレードアップしていく。 「ショートソード」:いわゆる短剣。刀身が短く、携行するのに便利。剣に比べて威力と受け流し力が弱いが、隙が少なく手数が多い。 「投げナイフ」:単独で孤立した相手を暗殺するのに向いている武器。一度に持てる数に限りはあるが街中のごろつきからスリをすることで無尽蔵に入手できる。これまた暗殺者らしい一品だが、投げた先にいる近くの敵は飛び道具の発射位置を正確に察知する仕様により自分の居場所が非常にバレやすいという大きな難点がある。ゲームを進めると最大所持数が増える。 「拳」:素手。最初から使用可能。威力は低く戦闘には向いていないが、殺さずに痛めつける時はこれを使う。主にミッション調査中の尋問で使用。 評価点 多様な宗教・歴史問題が絡むことから創作物としては非常に珍しい中世エルサレムを上手く描いている(*2)。 アルタイル編は「デズモンドの遺伝子に刻み込まれた記憶をアニムスという機械が呼び出しVRとして出力している」という設定のため、体力バー(本作ではシンクロ・バーと呼ばれる)や画面右下のレーダーといったゲームのお約束や、まだ行けない場所等の行動制限に独特な用語で説明をしている(*3)。 中世中東という珍しい時代設定は、本作特有の世界観を描き出している。リチャード1世などの登場といった史実をベースに、「エデンの果実といったオーパーツを巡る、アサシン教団とテンプル騎士団の戦い」という独自のIFを組み込むというシリーズの骨格は既に完成している。 さらに、現代側におけるデズモンドの物語もそこらかしこに伏線が張られ、シリーズを重ねても破綻を起こしていないことから分かるように相当に作りこまれている(*4)。 ユニークなゲーム性とアクションシステム 銃器などがまだ存在しない時代の中、荒廃しつつも秩序を保とうとするその広大な町並みをときにソーシャルステルスを使って密かに標的を見つけ接近し暗殺、ときにフリーランで自由自在に飛び回り…という稀有なゲーム性を生み出している。 イーグルダイブ(*5)によって高所から藁山へ落下するときの浮遊感や、アサシンブレードによる暗殺が上手く決まった時の爽快感は高い。 どうやって適切な足場を見つけて、それに伝って高い建物に登るか、という攻略性もパズル的な楽しさを増している。 グラフィックの美しさ。 たくさんの人間が行き交うゴチャゴチャした街並みを精緻かつ猥雑に描いている。 街並み・建造物の縮尺はある程度ゲームに合わせて変更があるものの、「岩のドーム」「嘆きの壁」「ダビデの塔」といった歴史的建造物・史跡はそのまま再現されており、間近に近づくどころか登ってしまうことまで可能。こうした要素もシリーズの定番となった。 賛否両論点 やりこみ要素としてイースターエッグ的な旗集めやテンプル騎士団員探しが用意されているが、やたらと数は多いものの報酬は一切ないので自己満足で終わってしまう。 360版では実績を獲得できるため集める意味はあるが、PS3/Win版はトロフィー/実績そのものがないので完全に自己満足である。 ゲームシステム上、高い塔に登ったり屋根の上を伝って移動したりすることが多くなる。 高所から転落するとしっかりと致死ダメージを受けるため、高所恐怖症の人にはつらいかもしれない。 問題点 単調なゲームの流れ 基本的に「アサシン教団本部から暗殺任務を受ける」→「暗殺対象のいる町へ移動する」→「その町のアサシン教団支部に行きお話をする」→「ビューポイントに登って町のマップを埋め、暗殺対象の身辺を調査する」→「アサシン教団支部から暗殺の許可をもらう」→「対象を暗殺」→「街中に鐘が鳴り響くアラート状態の中、支部に戻りお話」→場面を挟んで「本部に戻って報告」の繰り返しで進行していくお使いゲームで、段々と単調に感じるようになってしまう。 最後の暗殺対象等やラスボスなど、例外はあるにはあるが、ほぼ大半がこの流れ。 身辺調査は「スリ」「アサシン仲間の依頼による複数人のタイムリミット暗殺」「盗み聞き」「尋問」の4種類で毎回やることは同じ。そしてサブミッションは、敵にからまれてる市民を救出するために敵を「戦闘」で倒すもののみである。 ビューポイントでのシンクロや、サブミッション15個成功に付きシンクロバーが一つ増えるシステムも、この作業感をより増させている。 単調な戦闘 いざ戦闘となると実質的にショートソード以外の選択肢が無く、カウンター成功時の無敵時間の長さもあって自分から攻める旨味が少なく、相手が攻撃するのを待つ冗長な立ち回りを要求される。アサシンブレードでもできないことは無いが難易度は高い。 終盤含め敵に囲まれる場面は多いので、この冗長な受け身戦術がゲーム中の大半の時間を占めることになる。 ステルス要素の薄さ ステルスアクションと銘打っているが、アクション要素のほうが強く、ステルス要素は薄い。背後から忍び寄り1人ずつと倒していき周囲を無力化するというステルスゲームでお約束のプレイは難しい。 敵にとって自分達の環境は街の群集の中であり、アサシンがいる「かもしれない」ことが前提となっており、敵の視界に入った場合は明確な敵対・戦闘行動を起こさない限りは向かってこない場合がある(*6)。また、アラート状態になっても周囲の敵を掃討するか一気に逃げて、干し草や屋上庭園など多数ある隠れポイントに逃げ込むことが流れとなっている。 また、暗殺対象のところに行きイベントが終わるとすぐに強制アラート状態になり、多くの場合は敵が近くいるので即戦闘状態に突入するため、ノーアラート・暗殺のみで攻略できるステージは非常に少なく、戦闘で敵を一掃するか敵を無視してダッシュで暗殺対象を殺すというプレイになる。また、ラスボス付近に強制戦闘ラッシュがある。 主人公はフードの付いた真っ白なローブ状の服を着ており画面上は目立つ。これは神学者と似た服装で、街中を歩く彼らの集団に紛れられるという理由付け(*7)はされているが、そうでない時の時間の方が多く、見かけを優先した結果と言える。関連して、主人公がベンチに座るだけで敵の目を欺けるという極めてフィクション的な要素もある。 以上のようにプレイはステルスよりも戦闘をしている場面の方が多い。 各シークエンスのスタート時など、長い話を聞かされる場面が多いが飛ばせない(*8)。リプレイを推しているにもかかわらずテンポが悪い。 しかも、シークエンスのほぼそれぞれが毎回一番奥にあるアサシン本部からのスタートで、そこから階段や段差を飛び降りたり、好奇の視線を向けられながら街中を疾走し、外に出て馬に乗れるようになってもまたしばらく駆けた末、やっと行く都市を選べるようになる。さらには、各都市の周辺から門番を潜り抜けてやっと中に入れる。 作中には設定を利用し、「記憶を早送りする」として時間をとばす場面が何度もあるのに、ゲーム上ではイベントスキップもファストトラベルも全く実装されていないのである。 お邪魔NPCの存在 町の市民の中にはこちらの邪魔をしてくるものもいる。薬物中毒者・酔っぱらい・物乞いの女性である。一般市民扱いであるため殺害するとペナルティとなるが、彼らの存在がゲームを面白くしているとは決して言えない。 薬物中毒者と酔っぱらいはこちらが近づくと突き飛ばしたり、つかんで投げてくる。敵から逃げているときや「スリ」の時に邪魔になる。 物乞いの女性は「家族が病気なんだ、助けておくれよ」と主人公に追いすがってくる。付きまとわれていると敵がこちらに気づくため「スリ」の時など厄介である。逃げるかタックルでもしない限り延々追いかけてくる。 『II』以降は小銭をばらまいて処理できるよう改善された。どの物乞いも同じセリフのため、ウソをついており本当に困っているとは思えない雰囲気であることもイラつかせる。また、主人公が壁をよじ登ると「町から出ていけ!」と石を投げてくる。 後半のミッション中の配置が非常に嫌らしく、さしずめアイドルのストーカーの如くアルタイルの通り道に人の壁を作って待機している。 クリア済みシークエンスのリプレイ時には一般市民殺害のペナルティがなくなるので好き放題に彼らを始末することも可能だが程々に。 音声関連 なぜか上記のお邪魔NPCの声がクローズアップされるため、無駄にうるさい。 特に薬物中毒者はアルタイルを発見していない状態でも「ママぁ」と言ってちゅぱちゅぱ音を立てたり、低音の奇妙な鼻歌を歌ったりとかなり不快である。 おまけに声の届く範囲がやたらと広く、壁越しでも大音響で響き渡るのでとても心臓に悪い。雑多な中世の街を描いていると言えるかも知れないが…。 また、アサシンブレードによる暗殺時のSEがとても大きく、設定で小さくすることができない。 『II』以降は暗殺時のSEも小さくなった。 ゲーム中は壁をよじ登るアクションを頻繁にすることになるが、すべてのNPCには「上を見る能力」が備わっているため、はしごを使わないと「何をやっているんだ」や「けがをしても知らんぞ」と毎回通行人から小言を言われる。 ただし、『IV』以降でこうしたNPCのセリフが吹き替えられなくなったことを惜しむ声もある。市民の罵倒や小言はAAにもなっており、ある意味本作を象徴しているともいえる。 ヒントに乏しい現代編 現代編(現実世界)はアニムスのVR世界との差別化のために文字情報が画面に表示されない。そのため「何をすればいいか」以前に「何ができるのか」がわかりにくくなっている。 施錠された部屋の開け方を1度しか観る機会のないムービーのみをヒントに解き明かさねばならない場面があるが、謎解き以前にそういう要素があること自体に気付きにくい。 クリアするだけなら入る必要が無い場所ではあるが、ストーリーの背景が理解しにくくなる。 最終シークエンスではある場所であるアクションをノーヒントに実行する必要がある。ここまでに現代編の隠し要素に気付き色々試していたプレイヤーなら推測できるが、そうでないプレイヤーにはやや唐突なものとなる。 その他 壁をよじ登る時の速度はそこまで速くなく、サクサクと登るというほどではないので、現実的ではあるが若干爽快感に欠ける。頻繁に行うアクションであるため、些末なことであるが少し気になる。 群集の中では、駆け回るということは難しい。強ダッシュでもスタミナ制を採用していない代わりにそこまでは速くない上、ダッシュしながらのカメラ操作も慣れるまでは難しい。 操作性に関してはX,Y軸感度の設定を最大にしてももたつきを感じることは多い。 こういったゲームとしての問題点の多くは『II』以降改善されつづけている。 総評 同社の『スプリンターセル』シリーズで培ったステルスゲームのノウハウとステルス盗賊ゲーム『Thief』シリーズや暗殺ゲーム『Hitman』シリーズなどをミックスし、現代風にアレンジして全く新しいステルスアクションとして昇華させた一作。 スピーディーかつスタイリッシュに、混沌とした血なまぐさい12世紀エルサレムを駆け抜けるアサシンの姿は恐ろしくも美しく、1つの絵として完成されている。 しかし、自由度の高そうに見える絵面とは裏腹に、ストーリーは一本道で攻略のための行動パターンも少なく、ゲーム時間の大半が冗長な戦闘に割かれるため、インパクトこそ強いものの名作とは言いがたい(*9)。 2009年には続編『ASSASSIN S CREED II』が登場。本作の欠点を補い、さらに完成度を高めた作品で、ユーザーからの評判は非常によい。 以降、2015年の『ASSASSIN S CREED SYNDICATE』に至るまで毎年新作が発表されるなど、シリーズは定番名作アクションゲームとしての地位を確立する。 本作はその雛形を築き上げた功労者と言えるだろう。 余談 アサシン教団のモデルは同時代に実在したとされる「暗殺教団」であると思われる。 恐れを知らぬ暗殺者を生み出すためにハシーシュ(大麻)を利用したとされ、それが「アサシン」の語源とされる。 彼らはイスラム教シーア派の分派イスマーイール派の、さらに分派「ニザール派」だとされている…が、実際はかなり幻想的イメージによる伝説の部分が大きい。 本作においても作中で「誤ったイメージが伝わっている」と言及される場面があり、アサシン教団のモデルではあっても設定上は別物と思われる。 本作のオープニングムービーは、短い中にも作品の雰囲気を凝縮したものとなっており、映像も美麗である。 しかし、本編の内容とは特に関係無い(*10)。しかもクロスボウを撃ったり、上から飛び掛かりつつ倒すといった技も見せているが、これらも本編中には使用できない。この2つは続編以降から使用できるようになる。 作中の暗殺対象に「モンフェラート侯ウィリアム」が登場するが、実際の第3回十字軍でも、モンフェラート侯の「コンラート1世」なる人物が暗殺教団に殺されたという話が伝わっている。名前などから同一人物ではないかもしれないが、史実の暗殺事件に着想を得た可能性がある。 開発中は『Prince of Persia Assassins』というタイトルでその時の動画も存在している。 その名の通り『プリンス オブ ペルシャ』のスピンオフとなる予定だったようだ。 + OPとプレイ動画 主人公のアルタイルは作中の活躍や教団内における伝説のアサシンという設定上、以降の関連作においても再登場・言及されることは多く、未だにプレーヤーからの人気は高い。 …と真面目な人気もあるアルタイルなのだが、本作では彼が水に落ちてしまうと即アウトになるため、発売からしばらくの間アルタイルは泳げないという噂がプレイヤー間で囁かれ、上述の屋根に上った時の罵倒などと合わせてよくネタにされていた。 これに関しては後に公式から「シンクロ解除はアニムスの不具合によるもの」という補足が入った。つまりアルタイルが泳げないのは作中世界的には「水中アクションが当時のアニムスには実装されきっていなかった」ということになる。 アニムスのアップデートもあってか次回作以降のアサシンたちは普通に泳いでいる他、アルタイル本人も国内未発売のゲーム『Altaïr s Chronicles』や小説版にて泳ぐシーンがあるので、あくまで本作で泳げないのはメタ的な事情で第一作故にそこまで作り込めなかっただけと言える。 以降の作品群にも少なからず影響を及ぼしていることがシリーズの顔としてふさわしいと判断されたのか、2020年1月29日に『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』に剣術Miiコスチューム「アルタイルのぼうし+ふく」の有料DLCが配信された。 同シリーズでは初となるCERO Z(18歳以上のみ対象)作品からのゲスト出演となる(*11)。
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◆Assassin s Creed Unity トレイラー E3 2014シネマティックトレイラー 歌詞 +... Welcome to your life (ようこそ人生という) There s no turning back (逃げ道の無い場所へ) Even while we sleep (私達が眠ってる間も) We will find you (貴方はきっと) Acting on your best behaviour (善人ぶっているはず) Turn your back on mother nature (母なる自然に背いていまで) Everybody wants to rule the world (皆世界を支配したがっている) Help me to decide (決断のために手を貸して) Help me make the most of freedom and of pleasure (最高の自由と喜びを手に入れるために) Nothing ever lasts forever (永遠に続くものなど無いの) Everybody wants to rule the world (皆世界を支配したがっている) There s a room where the light won t find you (光が射さない部屋がある) Holding hands while the walls come tumbling down (手を繋いで立ち尽くすがいい) When they do I ll be right behind you (その時も後ろで見ているから) So glad we ve almost made it (築き上げた全てが) So sad they had to fade it (悲しいこと台無し消された) Everybody wants to rule the world (皆世界を支配したがっている) There s a room where the light won t find you (貴方を照らす光は無い) When they do I ll be right behind you (その最後を背を向けて見守るから) Everybody wants to rule the world (皆世界を支配したがっている) ◆ ◆ ◆ ◆Assassin s Creed Unity 発売前プレビュー情報まとめ Assassin s Creed Unity に関するプレビュー情報をまとめています。 ※掲載されている情報は製品版で必ず確認できるものとは限りません。 ▶さらに詳しく ◆ ◆ ◆ ◆Assassin s Creed Unity News シリーズ最新作として発表された「Assassin s Creed Unity」 の公式ニュース記事の和訳を掲載しています。 06.09.14 Assassin’s Creed Unity DevBlog – Navigation with Max Spielberg 私たちとゲームデザイナーであるMax Spielbergによってあたらしくなったパルクールシステムについて見ていきましょう。 私たちは、AC UnityにおけるナビゲーションシステムについてゲームデザイナーのMax Spielbergと全てにおいて話し合い... ▶さらに詳しく 06.09.14 Own the Phantom Blade 細心の注意を払って精巧につくられたこのアクセサリーがあれば、あなたもArno(アルノ)の伝説的なこのPhantom Blade(ファントムブレード)を使用できます。Assassin s Creed Unity Phantom Blade は完全な実物大レプリカで... ▶さらに詳しく 03.21.14 Assassin s Creed Unity | Sneak Peek Video 次世代機向けリリースとなるこのAssassin s Creed シリーズ最新作の最初の公式フッテージをあなた自身の手でご覧下さい。このあとも楽しんでいただけるよう -今後、我々はこの作品に関するより多くの刺激的な詳細を公開していきます。 ▶さらに詳しく ▲Page Top
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ASSASSIN S CREED II 【あさしん くりーど つー】 ジャンル アクションアドベンチャー 対応機種 プレイステーション3Xbox 360Windows XP~7Mac OS X 発売元 ユービーアイソフト 開発元 ユービーアイソフト モントリオール・スタジオ 発売日 2009年12月3日 定価 7,329円 廉価版 スペシャルエディション 2010年8月5日/3,990円 レーティング CERO Z(18才以上のみ対象) コンテンツアイコン 暴力・犯罪 判定 良作 ポイント 中世イタリアを舞台に広がった世界前作から様々なシステムが遊びやすく改良 ASSASSIN S CREEDシリーズ 概要 仕様の違い ストーリー 特徴 評価点 賛否両論点 問題点 総評 余談 歴史は血で綴られる。 概要 『ASSASSIN S CREED』シリーズのナンバリングタイトル第2作。 前作が十字軍時代のエルサレムを舞台としていたのに対し、本作はルネサンス期のイタリアを舞台としている。 ルネサンスの概要を知っていればより深くストーリーが楽しめる。公式サイトでもある程度解説がなされているためチェックしておくといいだろう。 レオナルド・ダ・ヴィンチやマキャヴェリなど、ルネサンス期に活躍した歴史的人物が思わぬ形でストーリーに介入してくることも本作のウリの一つ。 仕様の違い 日本語版は海外のアンロックコンテンツなどが全て収録されており、英語・イタリア語音声への切り替えが可能となっている。 PS3版のみPSPで発売された『ASSASSIN S CREED BLOODLINES』と連動し、アイテムを入手することが可能。 SE版は通常版配信後に有料配信されたDLCが付属されており、いわゆる完全版に当たる。 PS3のSE版はそれに加え、短編映画『Assassin s Creed Lineage』とそのメイキング映像が収録されている。 ストーリー ※前作のラスト直後からスタート。 アブスターゴ社とその黒幕に「秘宝」の在り処が伝わり、利用済みとなったアサシンの子孫であるデズモンド・マイルズはこれからの事を思案していた。その時アサシンの仲間であったルーシー・スティルマンの手引きにより施設から脱出に成功、隠れ家へと落ちのびる。己の運命に困惑し続けるデズモンドに対し、ルーシーは一つの提案をした。15世紀のあるアサシンの人生をアニムスによって追体験し、アサシンとしての技術を身につける事である…。15世紀、イタリアは新たなる時代の夜明けを迎えようとしていた。レオナルド・ダ・ヴィンチをはじめとする気鋭たちに導かれ、世界はかつてない科学、芸術、学術の再生の時を迎えた。後の学者たちは、それをルネッサンスと呼んだ。しかし彼らは、歴史の闇に潜んでいた事実を知らない…。フィレンツェの貴族、アウディトーレ家に生まれた青年「エツィオ・アウディトーレ・ダ・フィレンツェ」は、ある事件をきっかけに家族を処刑され貴族の位を剥奪、幸せな生活全てを失ってしまう。誰が何のためにこんな陰謀を仕組んだのか。その黒幕を暴き、報いを受けさせるため、エツィオは仲間の力を借りてアサシンへの道を歩みだす。 特徴 前作から3世紀近い時代経過と場所の変更がなされたことで、ゲーム上の設定やシステムにも大きな影響が及んでいる。 アサシンブレードの装備に指を落とす必要が無くなる、ブレードの仕込み銃が開発されるなど、技術的進歩を進化したゲーム性に上手く絡めている。 通貨の概念が登場したことは小さいようで大きい事柄。様々なことが通貨の導入一つで出来るようになった。以下がその一例となる。 「装備の購入」 武器は棍、長剣、ナイフなど種類が豊富になり、カウンターのし易さやリーチで差別化を図っている。 防具は質が高ければその分ライフバーも大きく増える。しかし戦闘などでダメージを受けると段々と痛んでいき、修理しないと破損状態になってしまう。 破損すると増加していた分のライフバーは無くなってしまう。ムービーでの見栄えを良くするためにも鍛冶屋でこまめに修理したい。 「街への投資」 ゲームを進めることによって荒んだ街「モンテリジョーニ・ヴィラ」の復興を任される。 道具屋、教会、鍛冶屋といった建物に投資することでヴィラの街を発展させられる。投資すればそれだけ街が賑やかになり、人の出入りも目に見えて分かるように増加する。 20分毎に街の収入が入り、それを受け取ることができる。投資すればするほど収入も増えていく。 投資した回数によって値下げなどの恩恵を得られる店もあるため、高価な装備を後々手に入れる際に思わぬ助けになる。 その他服の色を変える、仲間を雇う、といった事柄も通貨の導入により可能になった。 悪評システム、ライフバー 前作のシンクロ・バーとソーシャル・ステータスが若干仕様変更され、前作に比べると規制や縛りっぽさはかなり緩くなった。 ライフバーは前作のシンクロ・バーに相当するが、非敵対NPCの殺傷では減らなくなった他、防具によって最大値が増加するようになった。 そのかわり自然回復は内側に白い四角が残っているマス目の端数までになり、失ったマス目の分は街にいる医者に回復してもらうか、医者が売っている手持ちの薬を使用することのみになった。 今作のソーシャル・ステータスはマップの丸枠の色で表示され、敵兵以外の感知は影響しなくなった。前作では壁によじ登るだけでステータスが若干下がってしまい、せっかくのフリーランが堪能できないという問題があった。システムの方向性を変えず上手く問題点を消しているのは、評価点と言っても差し支えない。 新たに追加された悪評システムは犯罪行為をすることで街に悪評が広まり、群衆に紛れることができなくなったり兵士に突然襲われたりするというもの。あちこちに貼られている手配書を剥がす、先触れに賄賂を渡す、役人を暗殺することで悪評を下げられる。 ストーリー中強制的に悪評が最大まで上がってしまうこともある。ちなみに特定のマントを装備すると該当する地域内ではどんなことをしても悪評が全く上がらなくなる。 いくつかの広いマップを行き来しながらミッションをこなしていく箱庭型の3Dアクションゲームと言う様式は変わらないが、マップごとの広さが増加。サイドコンテンツ等ボリュームが更にアップし、オープンワールド型に近い作風になっている。 評価点 主に概要で述べた、世界観と上手く融合したシステム。 おなじく、全体的に行動の自由度が上がった。 単に行動範囲が広がっただけでなく、傭兵等を雇い仲間にして戦わせたり、金を路上にばらまいたりと町で起こせるアクションも増えた。 敵に砂を投げ目潰しをしたり、煙玉で一時的に行動不能にさせられるなど、搦め手関係の戦闘アクションも増加。 暗殺にも、毒を背後から挿し込んだり、銃で射殺したりと、手段に幅が増えた。お馴染みアサシンブレードも本作では両手に装備できるため、同時に二人暗殺することも可能になる。 金に群がる市民をどかすために兵士が来ることがあるのだが、そいつに毒を仕込むと大惨事が起こる。 移動手段も増え、快適性が増した。 泳ぐことができるようになり、水に飛び込んで即死と言うことは無くなった。泳いで追っ手を回避したり、暗殺ターゲットに静かに接近したりできる。また水上ではゴンドラを漕いで移動することも可能。 また、前作にもあった馬での移動に加え、街から街へ瞬時に移動できるファストトラベルが登場した。 決められた場所でしか行えない、微々たるものとはいえ金が必要になるなど制約こそあるが、移動手段としては非常に便利。前述の復興システムの収入を受け取る際に重宝する。 美麗なグラフィック 現代の技術で蘇った当時の街並みは美しく、適当にうろうろしているだけでも楽しい。開発陣も「世界一安いイタリア旅行」と語る程。 グーグルマップのストリートビューを使い、本作の舞台となるフィレンツェの街などを見比べてみるのも面白い。建物から通りまで細かく再現されているのに気づくだろう。 ビューポイントから見下ろす町は壮観。遠くの景色まで十分に見渡せる。もちろん、見渡せる場所のほぼ全てへ実際に行く事が出来る。 服の色の変化も微妙なコントラストで細かく差別化されているので、様々な染色を試してみるのも面白い。 時間経過の概念が登場。見た目だけでなく、昼と夜では警備のシフトが変わるなどミッション攻略にも変化をもたらす。 街ごとに風景の基本カラーをわずかに変化させているなど、細かい演出が行われている。 豊富な収集・探索要素 「羽」「シンボル」「石像」「宝箱」などがこれに該当する。意外な所に隠されていることも多いので、町を隅から隅まで駆け回らないとコンプリート出来ない。 実績のみであった前作の旗集めとは違い、収集アイテムを集めることで装備や金などの報酬も得られる。 シンボルは集めるだけで終わりではなく、それぞれに用意されたパズルを解かなくてはならない。歴史や宗教の知識が必要なものもあれば思考力ひとつで解ける問題もあり、数が豊富でやり応えがある。またパズルを解きシンボルの解読に成功すると、ストーリーの背景が更に明らかになっていく。 フリーランシステムの改良 壁登り中にアクションボタンを押すことで早く登れるようになった。 ストーリーを進めると、壁登り中に上方向へ大きくジャンプする新アクション「ダブルジャンプ」を習得できる。これを使用しないと到達できないビューポイントも存在する。 賛否両論点 大味な「ステルス」部分 敵に見つからないように暗殺任務を遂行するミッションが多いが、ある程度敵兵と距離があればほとんど見つかることは無い。コントのようなバレバレの隠れ方をしても、敵は「あれ、どこへ行った?」などと反応し去っていくこともしばしば。 暗殺アクションというゲームの性質上、同じステルスゲームであり、敵の感覚判定が厳しい『メタルギア』シリーズと比較され、批判されることが多い。 ただ、この点は本作のアクションに深い隠密性を求めるか否かで評価が変わると言えるだろう。 シンボルパズルが一部かなり難しい 難しいとされるのは「記号の隠された法則を見つけ出し、1~9のダイヤルに合わせる」と言う形式のもの。思考力が試されるパズルである。 中にはフィボナッチ数列やシュメール語に精通していないと解けない問題もあり、自力でのクリアは非常に困難。 シナリオクリアには関係ないが、トロフィー/実績に絡む要素であるため、完全に無視することはできない。 攻略法はネットなり書籍なりを調べれば存在するので、クリアは決して不可能ではない。 後年の作品と毛色の違うパルクール パルクールアクションは次回作以降、次第にニンジャの如く自由自在な万能アクションと化していくが、本作では登り方を試行錯誤するアクションパズル的なものになっている。 まず陸から建物周辺を観察して登れる場所を探し、文字通り手掛かりを辿り、目的地にたどり着けるルートを模索する必要がある。行き止まりルートもあり、ただ上に進むだけで外壁をグルグルと回らされることも屡々。時には壁蹴り方向転換ジャンプなどテクニカルなアクションも求められる。 理路整然としている建物が多い土地柄に合わせてか、大きさに反し登れる場所が極端に制限された建物も多く、登るという行為自体を楽しめなければ結構なストレスになる。 本ゲームは前作から次作へとつながる大きな物語の一部なので、未プレイだとストーリーの流れが分かりづらかったりする事がある。一応これまでの流れが冒頭に紹介されるが…。 主人公・エツィオは家族をハメて処刑した者達への復讐の為にアサシンとして行動を開始し、そして成長していく。 そしてラスボス戦後に復讐は無意味としてラスボスの命までは奪わず、ある意味許しの姿勢をみせるが、復讐から始まり許しに至るエツィオの心情の変化の描写が足りず、やや唐突とも言える。 時系列的には最終シーケンス前になるDLCの追加ストーリーにてエツィオが復讐の虚しさ・恐ろしさを悟るシーンがあり、それである程度の補完はされているが。 問題点 戦闘が単調になりがち 回避行動を駆使して鮮やかに戦うことも可能ではあるが、やはり大抵が攻撃連打かカウンター待ちでどうにかなってしまう。 掴む→壁に投げる→倒れたところを蹴る→掴む…の繰り返しで時間こそかかるがラスボスがハメ殺せてしまうなど、ボスとの戦闘にもあまり緊張感が無い。 前作から使える武器やアクションは増えたものの、そこまで大きな差が無く、戦闘を劇的に変えるものではない。 次作『BROTHERHOOD』ではカウンターキルの強化や妨害されない限り次々と敵を倒せるアクションが追加され、よりテンポの早い戦闘が可能となった。 仕込み銃の使い辛さ アクションゲームの銃と言うと一人称視点での操作や、エイムせずとも打てば当たる物がほとんどである。 しかし今作に於いては、「銃を構え、一定時間立ち止まり狙いを定めて撃つ」という操作であるためにどうしても使いどころが限られがち。 その上消音機能は(技術上仕方ないとはいえ)存在しないため、狙いを外そうものならあっという間に敵兵に感付かれてしまう。魅力的な新装備だがとにかく使いづらさが目立っている。 マップの使い勝手がイマイチ 基本的に建造物の名前が記載されないため、知識や記憶があいまいだとなかなか目的地にたどり着けない。こうした場合データベースに一緒に載っている小さな写真しかあてにするものがない。 現在地とマップがずれてしまっていたり、位置アイコンが妙に大きいせいで細かい位置が分かり辛かったりと実用性も少し不便。 「世界一安いイタリア旅行」と自負するのであれば、観光案内のパンフレットも作りこんでもらいたかったところだ。 次作『BROTHERHOOD』では、ランドマークにマーカーが付き、購入して復興の収入を上げることも可能になった。 やや面倒な復興システム 楽に多額の金を得ようとするならばモンテリジョーニの復興が一番手っとり早いが、復興させるのも振り込まれた金を回収するのもモンテリジョーニの屋敷でしかできない。復興を進めないと振り込める金の上限も上がらない。 中盤はメインイベントで様々な地方へ強制的に飛ばされる為、モンテリジョーニに戻れず(あるいは面倒臭い)復興も進められないし金もカンストしたまま回収できない…という事態に陥りがち。 ミッションクリアや宝箱、スリなど他にも金を得る方法はあるが、復興で振り込まれる金額と比べるとどうしても見劣りする。 次作以降では街が比較的広大な一枚のマップとなり、各地に点在する銀行を復興させることで収入の受け取りが可能になる。 バグが多い。 壁にエツィオがめり込んで行動不能になったり、壁抜けしてしまったりとプレイを妨害する要素ばかり。人物のテクスチャが異常に乱れるというバグも報告されている。 前作にはあったクリア済みシークエンスのリプレイ機能がなくなった。サブミッションのみリプレイ可能。 前作に引き続き、ムービーのスキップができない。同じミッションを何度もリトライするときなどはテンポが悪くなる。 次回作以降は新機能(ミッション中のチャレンジ項目、ムービースキップ)の追加とともに復活している。 カメラの挙動が余り良くなく、急に変な方向からの視点に移ったり、3D酔いを起こしそうな急激な動きをすることもある。 総評 前作では縦横無尽のフリーランや重厚な世界観が評価されたものの、粗削りかつストレスの溜まる作りが大いに批判された。 本作はそんな前作のシステムを洗練し様々な遊びを盛り込んだことで、シリーズの人気を確固たるものにし、アクションゲームの新境地として世界中で高評価を得ている。 以降のシリーズ作品がほぼ本作のシステムをベースにしている点を鑑みるに、シリーズの土台として完成されているということは疑う余地が無い。 ステルスやアクション部分は特筆するほど奥深いものではないが、簡単かつ気軽に遊べるように手堅く纏めているとも言える。 余談 本作のトロフィー/実績は取得難度が低く、比較的楽にコンプリートできるということで、コレクターからは人気を集めている。実際、本作は最もプラチナトロフィーが多く取られているという調査結果がある(参照)。 2010年4月に、「史上最も出版物で特集を組まれたゲームソフト」としてギネス・ワールド・レコーズに認定されている。 イタリアのアサシン「エツィオ」が主人公である『ASSASSIN S CREED』シリーズ内3部作「エツィオ・サーガ」は本作から始まり、『BROTHERHOOD』『REVELATIONS』へと続いて行く。 ナンバリングタイトルではないが、過去編・現代編とも本作の直後から始まるため『III』へ行く前にプレイしておくことを推奨する。 発売に先駆けて360のストア内で前日譚となる実写短編映画『Assassin s Creed Lineage』が配信されていた。 エツィオの父であるジョヴァンニを主人公に、ゲーム冒頭の出来事へと繋がる事件を描いている。 当初PSストアでは未配信であったが、後に発売されたSE版には収録された。 後年PS4/Switchで発売された『EZIO COLLECTION』にも収録されているが、画質が日本のモニター向けにチューニングされておらず、全編が夜のように真っ暗になってしまっている。 UBIJによる設定の独自解釈の問題。 日本国内公式が掲載した設定に「アウディトーレ家は前作主人公アルタイルの子孫」という物があるが大きな誤りである。 実際は「デズモンドの母方の祖先がアルタイル、父方の祖先がエツィオ」というのが正しい。
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ASSASSIN S CREED BLOODLINES 【あさしんくりーど ぶらっどらいん】 ジャンル アクションアドベンチャー 対応機種 プレイステーション・ポータブル 発売元 ユービーアイソフト 開発元 ユービーアイソフト モントリオール・スタジオグリプトナイト ゲームス 発売日 2009年12月23日 価格 5,229円 レーティング CERO Z(18才以上のみ対象) 廉価版 UBI the BEST 2010年8月5日/2,940円(税5%込) 判定 なし ASSASSIN S CREEDシリーズ 概要 ストーリー 評価点 賛否両論点 問題点 総評 概要 『アサシンクリード』シリーズのスピンオフで、日本では初の携帯機作品。 デズモンドと同じくアルタイルを先祖に持つ被検体17号がアニムスで本編のその後を追体験するという設定だが、一部設定に齟齬があるためパラレルワールドと看做されている。また、現代パートも存在しないという違いがある。 PSPで発売されたこともあり、PS3版『ASSASSIN S CREED II』との連動要素もある。 ストーリー 1191年、裏切り者であったアル・ムアリムを倒し、暗殺教団の導師となったアルタイルは、 新総長アルマン・ブシャールの下に再結集したテンプル騎士団を追ってキプロス島へ向かった。 アサシンとテンプル騎士団の秘宝を巡る新たな戦いが始まる。 評価点 据置とほぼ同様のアクションを落とし込んでいる。 シリーズの特徴であるフリーラン、イーグルダイブ、ステルスシステム、戦闘システムなどほとんどの要素は再現されており丁寧なチュートリアルも行われ、分かりやすい。 特にフリーランで足場を自在に移動できる爽快感は損なわれていないのは評価できる。 ただし、スリや乗馬など一部のアクションは削られている。もっとも、今作ではなくても特に問題ないようになっているが。 システム面は『II』に近くなり、壁に登ってもソーシャル・ステータスが下がりにくいため行動の自由度は増している。 投げナイフを回収できるようになった。 前作では完全な消耗品だったので、補充の手間が緩和されている。 現代編がないため、ストーリーも分かりやすい。 話自体は短いが、前作に登場したキャラクターのその後も描かれるので前作プレイヤーなら楽しめる。 ストーリーのほとんどは新キャラで進むため前作未プレイでも理解できないということはない。 アップグレードを兼ねた収集要素。 前作の旗探しのような要素としてテンプル騎士団のコイン集めがある。 前作では集めても特に報酬はなかったが、今作では集めたコインを消費してアルタイルの各種能力をアップグレード出来るようになった。 シンクロバー(ライフ)を増やしたり、攻撃力を上げたり、投げナイフの所有数を増やしたりとアップグレードできる内容も多い。 なお、コインはミッションを達成した時にも貰えるので、ストーリーを進めるだけでもアップグレードに困らないくらいは貰える。 賛否両論点 メインターゲットを暗殺するパートがボス戦になった。 対峙するとボスのライフバーが表示され、バーを削りきるとムービーで暗殺を行う。より一般的なアクションゲーム寄りになったと言える。 しかし、忍び寄って一撃で暗殺することが出来なくなったため、アサシンを題材としたステルスゲームとしては疑問符がつくことに。 問題点 カメラワークと一部の操作性が悪い。 特にカメラワーク。カメラが近いのは勿論、カメラを動かす時はLを押しながら○×△□ボタンで操作するが、歩きながらなどの操作が非常にやりにくい。フリーランなどで見易いカメラワークが重要な本作ではかなりのストレスになる。 また、フリーラン中も角に引っかかりやすかったりと全体的な操作性は微妙。遊びにくいほどではないのだが。 全体的にボリューム不足。 携帯機であるため仕方のない部分ではあるが、街の広さやストーリーの長さ、サブミッションの数などが少なく、据置版をプレイしていると確実に物足りなく感じる。 街にいるNPCの数も少なくなっており、据置版のような賑やかさは感じられない。マップも狭いのでオープンワールド的な楽しさは減っている。 ストーリーは据置シリーズの半分以下しかないため一日でクリア出来てしまうほど短い。 グラフィックが粗い。 これも携帯機ゆえではあるが、街のテクスチャなどが汚く、シリーズの売りである美しい街並みは再現できていない。 ステルス要素の薄さ。 スリができなくなった代わりに「まぎれる」という行動が追加され、まぎれている最中はほぼ敵に見つからなくなっている。 死体の傍にいる状態で他の敵が近寄って来ても走って逃げれば、まず見咎められない。それどころか2人いるうちの片方を暗殺しても気付かれないことがある。 あまりにもアバウトなため、全体的にヌルくなっている。 戦闘の単調さも変わらず。 相変わらずカウンターを狙っていれば楽勝。ボス戦でも同様なので自分から攻める旨味は薄い。 最初からマップが確認できるため、ビューポイントを探す楽しみは減った。 ストーリー上、ビューポイントに行く場面はある。 音声バグなどのバグ報告も多く、地形すり抜けなども発生する。 データとしては字幕、音声とも英語が収録されているがオプションで変更できないため『ASSASSIN S CREED II』以降では可能な字幕と音声を別々の言語に設定する事ができない。 PSP本体の言語設定を英語にすれば変更できるがテキストも全て英語となってしまう。 総評 『アサシンクリード』の雰囲気はある程度再現できているが、致命的なボリューム不足などから評価は低くなりがち。 決して面白くないわけではないものの、あくまで携帯機作品という範疇を出ることは出来なかった惜しい作品と言えよう。
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Assassin s Creed 項目数 44 総ポイント 1000 難易度 ★★☆☆☆ ■【Xbox360】アサシンクリード(Assassin's Creed)@ ウィキ 総じて難易度は低いものの、膨大な量の旗集めがかなりの苦行。 基本的にオートセーブの為、『話術師』のフラグ未達成の状態でセーブされると 最初からすべてやり直す羽目になるので要注意。 現代に戻ったら部屋で休む前にルーシーと必ず会話し、話を切り上げられるまで何回でも訊くこと。 実績(完全同調や教団の後継者が条件満たしていないのに解除)のバグが発生する可能性有。 「本来いけないハズのマップ外に行けた挙句落下死したら実績解除された」 「タイトル画面に戻ったら実績が解除された」など、要注意。 例…モンフェラート暗殺直前で中断してタイトルに戻ったら完全同調が解除された 例…マシャフで高所から連続で落下していたらポリゴンが欠け、欠けた場所から落下死したら鷹の本能が解除された ※「記憶の刻印」はムービーシーンの背景に遺伝子記号が現れた時にいずれかのボタンを押しアングルを変える事で%が伸びて行く。 初回から意識してプレイしないと、クリア後にもう一周リプレイするハメになる。ビューポイント等は引継ぎなのだが辛いので気をつける事! 実績 鷲と林檎 - 1191 Assassin s Creedをクリアせよ 100 血の報復 テンプル騎士団を全員倒せ 40 獅子心王の足跡 キングダム内のリチャード王の旗をすべて集めろ 25 アサシンの足跡 マシャフの「アサシン教団旗」をすべて集めろ 10 福音の足跡 エルサレムの十字架旗をすべて集めろ 20 イスラムの光 ダマスカスのイスラム軍旗をすべて集めろ 20 完全同調 シンクロ・バーを完全にせよ 45 高所制覇 ビュー・ポイントをすべて発見しろ 25 記憶の刻印 85%以上の記憶を見ろ 20 アッカの守護神 アッカのフリーミッションをすべてクリアせよ 20 エルサレムの守護神 エルサレムのフリーミッションをすべてクリアせよ 20 ダマスカスの守護神 ダマスカスのフリーミッションをすべてクリアせよ 20 話術師 ルーシーとの会話をコンプリートせよ 20 教団の後継者 シンクロ・バーがフルのまますべての標的を暗殺せよ ※下記参照 30 鷹の本能 殺されずに100人の敵を倒せ 20 鷲の戦い 10分以上戦い続けろ 20 鷲の餌食 100人の衛兵を暗殺せよ 20 隠された刃 アサシンの掟に従い標的を一人倒せ 30 鷲の挑戦 一度に25人の衛兵と戦って倒せ 20 敏速な鷲 カウンター・キルを100回使え 20 鷲の急降下 コンボ・キルを50回使え 20 鷲の爪 50回ステルス暗殺をせよ 15 鷲の舞踏 50回イーグル・ダイブせよ 10 盗人の手 200本の投げナイフを盗め 15 宗教の歩み 修道士に20回紛れろ 5 鷲の目 75人の衛兵をナイフを投げて倒せ 15 貧民の敵 25人以上の物乞いをつかんで投げろ 5 逃亡名人 20以上の出店の上をジャンプして進め 5 黒い十字架 アッカにあるチュートン騎士団の旗をすべて集めろ 10 秩序の守り手 アッカにあるテンプル騎士団の旗をすべて集めろ 10 8つの道徳 アッカにあるホスピタル騎士団の旗をすべて集めろ 10 秘密の実績 未来への眺望 不可思議な画像が見えた。謎は深まる・・・ 50 悪徳商人の血 闇市の主、タミールを倒した 25 奴隷商人の血 エルサレムの奴隷商人タラルを倒した 25 悪徳医師の血 ホスピタル騎士団総長ガルニエを倒した 25 首長の血 エルサレムの首長マハドを倒した 25 大富豪の血 ダマスカスの大富豪アブル・ヌクドを倒した 25 モンフェラート候の血 アッカのモンフェラート候ウィリアムを倒した 25 チュートン騎士団総長の血 アッカのチュートン騎士団総長シブラントを倒した 25 神学者の血 ダマスカスの神学者ジュバイルを倒した 25 ネメシスの血 ロベール・ド・サブレを倒した。だがまだ一人残っている・・・ 25 アニムスにようこそ アニムスのチュートリアルをクリアした 20 マシャフの英雄 テンプル騎士団の襲撃からマシャフを守った 20 裏切りの代償 裏切り者を見つけ出し、アル・ムアリムにつき出した 20 秘密の実績 全てストーリーを進めれば、エンディングまでに解除されるので特に気を配る必要なし。 旗・騎士団の位置 それぞれの詳しい位置は海外フォーラムや、 海外サイトAssassin's Creed Interactive Maps(各旗のスクリーンショットがある)を参照すると良い。 取った場所のメモ推奨。 地図のほかに旗の位置を記したテキスト(攻略wiki参照)があった方が断然良い。 もしくは上記サイトのスクリーンショットで詳細な位置を確認しつつ進める。 キングダムは広い上、混同しがちなので慎重に。 日本語版初回特典リファレンスガイドに全位置が明記されているので手元にあればそちらも参照。 マシャフ キングダム、テンプル騎士団に番号あり版 キングダム別バージョン、旗の位置(テキスト) ※左記リンクの旗の番号は別バージョンに対応してるので注意 ダマスカス:貧困地区、中流地区、富裕地区 アッカ:貧困地区、中流地区、富裕地区 エルサレム:貧困地区、中流地区、富裕地区 血の報復 上記の地図に記載されているテンプル騎士団員を全員(60人)倒す。 日本語版初回特典リファレンスガイドに全位置が明記されているので手元にあればそちらも参照。 ※ダマスカス富裕地区、31番旗の左にテンプル騎士がいる。上のMAPでは記載されていない。 なお、テンプル騎士団は宝箱のよう形の道具箱とゴザを携行している。倒した後もこれらはその場に残り続けるので、 場所があっているかどうか、倒したかどうか、の判別になる。 話術師 任務を終えて現代に戻るたびに、ルーシーと会話する。 場合によっては二度、三度聞けるところがあるので注意(ルーシーが部屋の隅に移動した後に会話フラグが立ったりする)。 ルーシーが「疲れてないの?」「忙しいの。後にして」しか言わなくなったら、その時点での会話フラグは終了している。 終盤のロベール殺害後に現代に戻った時にルーシーに話しかけ、話が終わると解除。 上記されているように、リプレイによる補完が唯一できない実績なので注意。 失敗した場合は NEW GAME でやり直さなければならない。 記憶の刻印 イベント時、点滅する遺伝子記号のようなものと効果音が出た際に任意のボタンを押し、視点を切り替える。 暗殺後の独白シーンは見づらいので、心配ならばボタンを連打するとよい。 解除タイミングは、85%に到達した瞬間。見逃しが少なければMemory Block 5辺りで解除される。 リプレイで補完可能。 教団の後継者 実績の説明は誤植の為注意。 Disciple of the Creed(教団の後継者)の要訳 「その時点でできる全てのサブミッションをこなした後に標的を暗殺する」 つまり、シンクロバーでなくDNAログをフルにするという事。 全ての標的を暗殺しなければならないので、解除タイミングはロベール暗殺時。 暗殺する際にアサシンブレード以外の武器を使用しても問題は無い。 リプレイで補完可能。 鷲の戦い タラルの待ち伏せのイベント時、屋内の敵を全滅させたあと屋外に出ずに10分放置で解除 ロベールが襲撃してくるイベント時、開始直後に10分放置で解除 自警団の居るところで衛兵と戦闘を始めRT固定で10分間防御し続ければOK。 ただし隊長クラスの敵は防御を崩してくるため危険。メモリー1・2で隊長クラスの敵が居ない場面を狙おう。 終盤のロベールを倒す一本道で一般衛兵を一人残し遊ばせて置けば解除可能。鷲の挑戦と一緒に取ることをお勧め。 隠された刃 警戒されていない状態で暗殺目標を暗殺する。 ガルニエの巡回ルートでかつ気の触れた人がいない場所で祈って待ち後ろから暗殺、 モンフェラートが一人になってから上部の屋根から飛びつき暗殺などが楽。 自警団に捕まっているターゲットを後ろから暗殺しても解除される(タミール暗殺時に確認)。 鷲の挑戦 数人引き連れながら逃げ出されないように間隔を開けて25人殺せば良い。 25人引き連れる必要はない。 序盤で取りたいのなら街道のアッカかエルサレム前でやるのをお勧め。 または市民救出のミッションをやっていない都市で、一番雑魚の衛兵の攻撃をガードしながら 市民救出の所を適当に回れば衛兵が寄ってくるので、一人だけ残し他は殺す。 一人残ったら、またガードしながら次の救出のところへ向かう。 体力が減った衛兵のみを残してしまうと逃げられて戦闘終了となる可能性もあるので注意。 終盤のロベールを倒す一本道で解除可能。鷲の戦いと一緒に取ることをお勧め。 鷲の急降下、敏速な鷲 戦闘訓練もカウント対象となる。 盗人の手 一度のスリにつき5本盗める。投げナイフ所持数MAXの時にスリをしても5本カウントされる。 後ろから近づいている時はならず者の進行方向にずっとまっすぐスティックを倒さず、少しだけ左右に振ると伸ばした手が届き盗みやすい 宗教の歩み 紛れて、外れての繰り返しで可能。 逃亡名人 出店の横からカウンターの上を飛び越えた回数がカウントされる。 敵に追われている時以外に飛び越えてもカウントされる。 出店の屋根をジャンプし続けるわけではない。 また、これを使えば普通に逃げるよりも効果的。
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ASSASSIN S CREED ORIGINS 【あさしん くりーど おりじんず】 ジャンル アクションRPG 対応機種 プレイステーション4Xbox OneWindows 7~10 メディア PS4/One BD-ROM/ダウンロード併売 Win ダウンロード専売 発売元 ユービーアイソフト 開発元 ユービーアイソフト モントリオール・スタジオ 発売日 2017年10月27日 定価 PS4/One パッケージ版 8,400円 ダウンロード版 7,500円 Win 通常版 8,400円 ゴールドエディション(*1) 10,200円 レーティング CERO Z(18才以上のみ対象) 備考 前日譚を描いた小説版もあり 判定 良作 ポイント 物語は「起源」へ色鮮やかに描かれる古代エジプトの砂塵と陽光魅力的なメジャイの主人公・バエクシリーズ初のファンタジー要素が登場アクションRPGへの路線変更は賛否両論気味 ASSASSIN S CREEDシリーズ 概要 ストーリー 特徴 評価点 賛否両論点 問題点 総評 余談 概要 ユービーアイソフトが販売するステルスアクションゲーム『ASSASSIN S CREED』シリーズのメインタイトル10作目。 同社の看板タイトルとして定着している『ASSASSIN S CREED』だが、毎年新作を継続してリリースするという状況から質のバラつきやマンネリ感も出ており、こうしたこともあり前作『SYNDICATE』の発売後一旦シリーズの休止宣言が出ていた。 本作はそのシリーズ再開の鏑矢となるタイトルであり、過去作の様々な要素の廃止・変更・復活をしつつ新たな現代編の主人公が明確に設定されるなど記念すべき10作品目を迎えるにあたり「仕切り直し」を強く意識した作品となっている。 中世の十字軍に始まり産業革命の時代まで来た『ASSASSIN S CREED』だったが、ここに来て本作は一気に時代を遡り、紀元前のプトレマイオス朝エジプトが舞台となっている。 古代エジプトの栄華が失われつつある中で最後のメジャイ(*2)の戦士バエクの復讐の旅路を通し、アサシン教団がいかに発足したのかが描かれる。 ストーリー 紀元前49年。 プトレマイオス13世の治世下のエジプトでは日に日にローマ帝国の影響が増し、神々への信仰も少しずつ揺らぎつつあった。 エジプトの守護戦士「メジャイ」の末裔バエクは謎の仮面の男たちに息子を人質にとられ、不幸な事故により息子を喪ってしまう。 それから一年後。バエクとその妻のアヤは息子の魂の安寧のため、エジプトを闇から操る「古き結社」たちへの仇討ちを始めるのであった。 時は流れ2017年。 アブスターゴ社員のレイラ・ハサンはアニムス計画から遠ざけられたことに憤慨し、自身を計画から外した上層部を見返すためにバエクたちの墓所を暴く。 2人のミイラから得た遺伝情報を新型アニムスへとセットし、悠久の時を超え過去世界へとダイブするのであった。 特徴 本作はシームレスなオープンワールドマップを採用し、エジプト全土を自由に冒険することができるようになっている。 過去作同様各地の高所にはビューポイントが設定されており、一度シンクロするとその地点へと高速移動可能になる。 これまでの作品同様シナリオが進行するまで一部侵入できない地域や特定のイベント限定のマップもあるが、全解禁後の広さはシリーズでも随一の物となっている。 また、地上のみならず水中にも潜水して探索できるようになった。水上もこれまではひたすら泳ぐしかなかったが本作ではファルーカ(小型帆船)に乗ることで快適に移動できるようになった。 伝統的な操作割当であったRボタンのアクティブモードなどが廃止され、R1/RBが弱攻撃・R2/RTが強攻撃ボタンになった。フリーランに相当する段差移動は×/Aボタンか○/Bボタンだけ押しっぱなしで良くなった。 レベル制・スキルツリーシステムの導入 過去作からの最大の変更点と言える部分で、これまでは純粋にアクションゲーム寄りの作風だったが、本作は敵を倒したりクエストをクリアすることで経験値を溜めレベルアップする…というRPG風の作りになった。 スキルツリーはレベルアップ・石板発見時に入手できるアビリティポイントを消費することで新たなスキルを習得できる。 ステルス能力と弓矢などの遠距離武器の「ハンター」と、近接戦闘関連スキルの「ウォリアー」に加え、爆弾やスリープダーツなどの特殊装備と戦闘以外のスキルの「預言者」の3系統があり、任意の系統から順番に習得することができる。 オプションによる難易度選択が導入されたのも本作から。ステルスアクションに苦手意識が拭えない初心者でもシリーズに入りやすくなった。 戦闘システムや武装に関しても過去作の物から刷新された。 最大の変更点として盾が追加されたことが挙げられる。L1/LBボタンでガードを固めることや受け流し(パリィ)が行えるようになり、一言で言うと『DARK SOULS』及びそのフォロワー作に近い操作体系をとっている。 また、会敵すると画面下部にアドレナリンケージが出現し、敵に攻撃を当てたりすると徐々にケージが上昇する。最大値まで貯まった状態で弱・強攻撃ボタンを同時押しにすれば装備している武器に応じて大技を繰り出したり一定時間バエクのステータスアップが行える。 もちろんシリーズの象徴であるアサシンブレード(*3)などを使った暗殺術も健在で、後述の通りレベルさえ十分で敵に発見されていない状況ならば一瞬で息の根を止めることもできる。 過去作では武器はある程度種類が限られており特定のタイミングで入手したら最後までその武器が使用可能というアクションゲームとしてはベーシックなスタイルだったが、本作ではいわゆるハクスラ要素が部分的に導入された。 各地の宝箱を開けたりや敵を倒すことで新たな武器や防具を入手できる。ただし、一般的なMMOなどに見られる装備品の能力がランダムに割り振られる本格的なハクスラと違い、武器ごとにパラメーターや特殊能力自体は固定されている。 各種装備は野生生物を倒したり各地に落ちている物を拾うことで集めた素材を使うことで強化が可能。また、装備にもレベルが定められており、自身の現在レベル以上の武器を入手しても装備することはできない。 相棒のセヌ 主人公のバエクはこれまでのアサシンたちの特殊能力である「鷹の目」を持たないが、その代わりとして本物の鷹であるセヌが冒険をサポートしてくれる。 上キーを押すと操作キャラがバエクからセヌへと切り替わり、敵や宝箱のマーキングなど偵察が行えるようになっている。スキルを習得すれば陽動も行えたりと旧シリーズにあった「弟子」の要素も部分的に兼ね備えている。 一部のストーリーイベント限定で海戦が復活した。 海戦が初登場した『III』のような海洋ミッションもないため、基本的にシナリオ中に数度のみ行われる。 紀元前の海戦ということもあって当然ながら大砲なぞ存在しない故に、火矢と投石器、衝角で攻撃する。 デズモンド時代のような現代編の復活。 近年の現代編はプレイヤー自身が主人公とされ明確なキャラクターが設定されていなかったり操作できないムービーパートで済まされていたが、本作では現代編の主人公が明確に設定され、初期作のようなTPS視点の操作パートが復活した。 実写映画版と関わりが深く、事前に観ているとより楽しめる。映画を観ていなくてもゲーム中の読み物で最低限の補完が可能。 DLC 本編の後日談となるエピソードが2回に分けて配信されている。どちらも単品販売がなされている他セットで買えるシーズンパスも販売されている。いずれも新規マップが追加された規模の大きい拡張となっている。 第一弾「隠れし者」 シナイ半島を舞台にバエクたちのその後が描かれる。教団の教義の1つが確立された経緯や過去作へとつながる小ネタが存在したりと、本編終盤で垣間見える教団の起源に深く切り込んだシナリオとなっている。 第二弾「ファラオの呪い」 こちらも本編の後日談となるエピソードだが、かつてのエジプト首都テーベ・王家の谷・そしてまさかの古代エジプトにおける冥界である葦の原野を舞台にしている。 現世と冥界を行き来して今は亡き歴代のファラオやアヌビス神と戦うといういつもの『ASSASSIN S CREED』からはぶっ飛んだ神話・超常的なシナリオであり、本作のエンドコンテンツとなるボス戦クエストも同時に配信開始されている。 ディスカバリーツアー 無料アップデートで追加されたモード。教育機関などでの利用も視野に入れて製作されているため、このモードのみの単品販売もなされている。 戦闘や収集要素は一切なくプレーヤーが自由に歩き回る形で当時のエジプトの文化習俗政治情勢などについて学習することができる。 ちなみに操作キャラは本編で操作できるバエクとアヤ、レイラを含め25種類用意されている。しかしゲーム本編のモーションとマップを流用している都合上誰でもパルクールアクションが行えるため、神殿やピラミッドをいとも簡単によじ登る幼女やクレオパトラというとてつもないシュールな光景も拝むことが可能。 5つのテーマに分類される合計75種類ものツアーが個別に用意されており、本編のおまけとして見た場合かなりのボリュームとなっている。 これまでアニムスのUIという体裁でデザインされていたVRテイストなUIなどが一新され、シンプルなフリーローミングRPGの様式になった。 クリア済みクエストのリトライとサブ目標によるシンクロ率、DNAシークエンスなど、ステージ制とそれに伴う要素もまた同時に全廃されている。 ライフゲージ、マップ描画時のデジタル感と死亡時の「シンクロ解除」に名残を残すのみ。 評価点 エジプトというロケーションそのもの。 昨今では古代エジプト的な要素を含んだキャラクターなどは様々な創作作品で見受けられるがエジプトそのものが舞台になる作品は限られており、プレーヤーがエジプトを自由に歩けるオープンワールドゲームは本作が世界初のタイトルと言える。 一面に不毛の地が広がるサハラ砂漠からナイルの恵みにより発展した緑豊かなナイルデルタ地域、説明不要の世界遺産であるギザの王墓とロケーションも豊富で飽きさせない。 エジプトの目玉と言えるピラミッドや数々の神殿は外部のみならず中身もしっかりと作りこまれており、探索したいという冒険心をくすぐらせてくれる。ピラミッドもまた現代の石段が剥き出しになったものではなく、当時の(こうだったであろう)化粧石で覆われた美麗な物となっている。当然、パルクールで天辺まで登ることもできる。 現在は失われたアレクサンドリア図書館やファロス灯台と言った歴史に名のみを遺す建築物も再現されているのもポイントで、こうした今は姿形無き名所に訪れることができるのもゲームならではの楽しみと言える。 わずかに残っている当時の資料に加え、フランスの建築家ジャン=ピエール・ウーダン氏の協力の元、これら建造物がデザインされているためリアリティも抜群。 これを象徴するエピソードとして、本作発売から6日後に発表された素粒子を用いたギザの大ピラミッド調査で発見された隠し部屋がゲーム中にも再現されていたという驚嘆すべき事件がある。 ウーダン氏の説を元に将来的に発見されることを期待して実装したとのことだが、わずか数日で事実であったことが証明されたのである。 プトレマイオス朝末期という時代柄、エジプトに勢力を伸ばしてきているギリシャやローマの建造物も散見される。ギリシャ神の神殿、建設中の水道橋など。 人間や建物のみならず動物たちも生き生きとしており、村で立ち止まると猫がすり寄ってきたり牛がのんびりしていたりと古代の息遣いを感じさせる。 一方動物たちは必ずしもバエクに友好的とは限らず、エジプト各地にはコブラやライオン、ワニにカバと言った危険な生物たちもいる。とりわけカバはかなりの強敵で、リアルなカバの恐ろしさ(*4)を再現しているゲーム業界でも珍しい作品だと言える。 ターゲットを始末した際の対話シーン(通称:暗殺空間)もエジプト神話に則り、過去作とは一味違った神秘的な演出が好評。 資料が限られる古代の話ゆえにアサクリのお約束である実在の偉人との交流や歴史上の大事件との絡みはどちらかというと少な目だが、クレオパトラの有名な逸話や誰もが知っているカエサルのあの一言といった歴史体験ゲームとしての押さえておきたい要所はしっかりと押さえている。 マップの広さもこれまでの『ASSASSIN S CREED』以上。 これまでの『ASSASSIN S CREED』は舞台となる都市を絞って特定の都市およびその周辺地域のみをミッションの合間に探索できるようになっていたが、本作は(ナイル川東側と上エジプトが舞台になるDLC編も含めれば)文字通りエジプト全土をほぼ切れ目なしに渡り歩くことができる。 当時の伝統的な暮らしをしているバエクの故郷シワのオアシスから、ギリシャ・ローマの文化的影響が色濃い地中海方面まで自分で歩いたり馬や駱駝に乗って冒険可能。 また、騎乗している際には目的地までのオート移動機能も存在し周囲を自由に眺めながら観光することができる。 『ASSASSIN S CREED』としては初めて他のゲームのような形のサブクエが導入され、各地で受注できるようになった。 一度受注しても完遂しなくてもよく、複数のクエストを平行して進めてもよい。 ほぼ全クエストにフルボイスイベントがあり、過去作に多かった単純に数字を増やすだけの収集要素よりもストーリー性が増している。本シリーズ内での比較に限れば進歩していると言える。 中身自体はいわゆるお使い的な物が多いものの、本筋では語り切れない古代エジプトの文化や習俗と関わりあるイベントが多々あるので、雰囲気づくりの一環としては申し分ない。 またメインクエストに関してはサブ目標などによる内容評価がなくなったことで、攻略の自由度を高く感じやすくなった。ステルスプレイが直接優遇されているわけではない分、近接戦闘や弓矢の各スキルを生かした大立ち回りをしても問題ないようになっている。 主人公・バエクが魅力的 30代後半の所帯持ちの男性というゲーム業界としては異色の主人公だが、その分精神的に成熟しており自身の過去から子供思いなシーンが多く、歴代主人公でも屈指の人格者である。 信心深く知性に富む一方で卑劣な悪党には激昂を見せる、理知的な側面と直情的な側面をバランス良く併せ持った人間的な人物であり、共感しやすい。 また、サブクエストによっては冗談めかした対応を取ったり奔放な依頼人に困らされたりと少々コミカルな場面も存在し、好感の持てる描写に事欠かない人物となっている。 「オリジンズ(起源)」というタイトルの通りこれまでの教団のしきたりやシリーズのお約束についてもそれとなく連想させる要素が多く、シリーズファンなら楽しめるようになっている。 特に「アサシン教団のマーク」が初めて画面に映るシーンは演出も相まって本作の印象的なシーンに挙げるファンが多い。 そもそもアサシンとエジプトに何らかの関係があることは初代の時点で示唆されており、『II』でも本作に登場する人物について言及があったため、長らくエジプト編を望むファンは一定数存在していた。本作はこうしたファンの期待にようやく応えて長年の伏線を回収できたと言える。 一方それ故に、(過去編に限ればだが)シリーズ他作との接続は少なめであり、シリーズの他作品を遊んでいなかった人であっても話が分かりやすく手に取りやすい。 セーブファイルが複数作成可能に 『UNITY』『SYNDICATE』ではセーブファイルを1つしか作成できなかったため、最初からやり直したければセーブデータを消すか別のアカウントを使用するしか無かったが、本作でようやく改善された。 また、装備やステータスなどを引き継いでストーリーを最初からプレイできるニューゲーム+もアップデートで追加されたので、気軽に過去のストーリークエストを再プレイできるようになった。 賛否両論点 カウンターの再廃止 前作で復活したカウンター攻撃だが、本作でまたしても廃止され、盾の受け流しに面影を残すのみとなった。 これに関しては「正面から突っ込んでもリカバリーが効くため便利すぎた」「殺し方を考える余地が出来ていい」という肯定的な意見もあれば「囲まれた時や強敵相手と戦う時に厳しい」「カウンターで華麗にいなす方がアサシンらしい」と賛否どちらの意見も存在する。 カウンターが弱体化されたことで相対的に1人ずつ仕留める暗殺の重要度が上がったので、ミッションに直接要求しない範囲内でステルスキルを優位にすることに成功したとは言える。 ファンタジー要素 これまでのシリーズでは明確なSF・オカルト要素は第一文明関連のみで、それらも神話や聖書に出てくる秘宝が実は第一文明の科学の遺産であった、という程度の内容であった。 対して、本作ではアニムスのバグや夢という形とはいえエジプト神話の神や怪物と対峙することになる他、DLC2ではファラオの亡霊や冥界まで登場する。 その内容自体は実に魅力的なものだが、シリーズの世界観の変容について賛否が分かれるところである。 吹き替え 本作ではこれまでのシリーズ同様に日本語吹き替えに対応しているのだが、主人公であるバエクの声には賛否が分かれている。 バエクの声を担当するのは福山潤氏なのだが、海外版バエクの声とは声質が正反対(*5)のために拒否感を示すユーザーが少なくなかった。 本作の日本語吹き替え版トレーラーが公開された際には、炎上というほどではないが少々荒れたのも事実である。 問題点 メインストーリーの終盤の展開について + ネタバレ注意 ストーリー最終盤、突然操作キャラがアヤに変更されるミッションが2~3回ほど存在する。それだけでなく、最後の重要人物の暗殺もアヤ、エンディング前の最後のムービーもアヤ…とバエクを差し置いてアヤが美味しいとこを持っていく形となっている。 こうなった原因は、過去作で存在が示唆されていたのはアヤの方だったのでなんとかリンクさせたかった、本作後にアヤが主人公のコミックが販売されるのでその宣伝目的、初期案ではバエクが途中退場して主人公がアヤに切り替わるという話でその名残など色々あるとは思われるが、ひとまず納得がいっていないプレーヤーが多いのは事実と言える。 付け加えるとクレオパトラに対する心象がバエクは「途中から怪しむようになったが目的の遂行のためやむを得ず協力関係を続けていた」という物に対し、アヤは「掌を返されるまではクレオパトラに心底心酔していた」というあまり知性的には見えない態度なのもプレーヤーからあまりよい印象を持たれていない一因となっている。 現代編について 現代編は実質的に新たな主人公・レイラの顔見せ程度で終わり、詳しいことは次回作以降に持ち越し…という形で終わりやはり話はあまり進まない。 一応、ある場所にて今後の重要な伏線らしきものは張られているが、どのみち本作で直接どうにかできることではないので本作単品での評価を左右するほどの物ではない。 上述の通り過去編は他の作品との直接のつながりがないためシリーズ未経験者であっても入りやすいのだが、現代編は下記するメディアミックス作品の流れを汲むばかりかこれまでのあらすじをまとめたムービーなどがないため(シリーズ初見の人にとって)分かりにくい。 一応、アニムスから出れば大量の文字的資料が観覧できるが…何分すぐに理解するには一筋縄ではいかないと思われる。 本作というよりメディアミックス上の問題だが、『IV』から前作までゲームとコミックをまたいで続いていたフェニックス・プロジェクト編が完全にコミック限定に移行したため、本作は前作からの流れを無視した唐突な新章突入になってしまっている。 EDで意味深な台詞を吐いていたジュノー(*6)は本作には影も形もなく、そのまま本作から半年後に発売されたコミックにおいて倒されてしまった。 調整不足なレベル制 2、3レベル程度離れるだけでまるで太刀打ちできない程敵が強くなってしまう。 特にレベルが開いていたり、アサシンブレードの強化が足りていないと、過去作では暗殺で処理できた敵がそれを耐えてこちらに強烈な反撃をしてくるため、「『ASSASSIN S CREED』なのに暗殺できない」という事態に陥ることがある。 装備品側のレベル制限も強い武器だけ盗んできて序盤~中盤を簡単に進めるというプレイができないため遊びの幅が狭まっており、どちらかというと不評。 経験値入手手段は色々用意されているのだが、野生生物や雑魚敵を倒すだけではごく微量しか貰えない都合上、各種クエストの攻略が一番効率がいい。スタッフもそうした想定の元作ったのかサブクエをクリアしていくとほどよい難易度になるように調整されている。 これ自体は丁寧にレベルデザインがされているとも言えるのだが、故に本来やらなくても進めるはずのクエストを「やらされてる感」も出てきてしまっており、サブクエにハマれなかった人からはなお評判は良くない。 そもそも、プレーヤーがどこへでも好きな場所へ行けるオープンワールドと一本道のRPGのようなギチギチのレベル制自体が嚙み合っていないという意見が多い。 この問題は次回作『ODYSSEY』にも尾を引いており、結局『VALHALLA』ではレベル制そのものが事実上撤廃されたうえ一撃暗殺のオプションも選択できるようになったなど、あまり相性はよろしくない物だったと言わざるを得ない。 また、本作においてもDLCの想定レベル45へとすぐにスキップする機能がアップデートで追加されている。 全てのアビリティを取りレベルをカンスト後も経験値を一定獲得ごとに熟練度を獲得でき、攻撃力をカテゴリー別に延々と強化することができるが、HPと防御力、アサシンブレードを強化する手段はそこで打ち止めになる。 本シリーズではお約束だがやはりバグが発生することがあり、バグとまでは行かないが物理演算がおかしくなったりNPCが妙な挙動を見せたりする場面も多々ある。 アップデートである程度致命的な物は減った。とはいえ最新版でもアプリケーションエラーが起こる時もあるが…。 データベースが無い これまで全てのシリーズにあった登場人物やロケーションのデータベースが無い。 ディスカバリーツアーで代用できるが、それだけのためにゲームを起動し直さなければならず、学習用の真面目な内容のために従来作のデータベースのような筆者の皮肉や注釈を楽しむことはできない。 総評 古代エジプトというロケーションそのものが素晴らしく、古代史やエジプト文明に少しでも興味がある人ならば間違いなくプレイすべきと言える一作。 現在では発売から数年が経過したものの、未だに古代エジプトを舞台にしたオープンワールドゲームというのは本作のみである。 この一点だけでも本作は長いゲーム業界史においてオンリーワンの作品であることは間違いない。 一方で過去作から継続して遊んでいるファンには目についてしまう変化点、「結局いつもと同じ」な部分もある。 システムの刷新は将来的な課題も残したが、一本のアクションRPGとしては充分平均以上の出来と言える。 総じて、シリーズ再出発点としては悪くない出だしを切れたと言えるだろう。 余談 ピラミッドは大昔は化粧石に覆われていて白く輝いていた…という話は結構有名で知っている人もいるかもしれないが、本作におけるピラミッドはパッケージにでかでかと描かれている通りちゃんとこの「白く輝くピラミッド」なっている。 が、実は本来ならばバエクの時代にはすでにピラミッドの表面が剥がされて現代と同じ姿になっているはずだったりする。これはスタッフ曰くエジプト編をやる上で最大の目玉にしたいということで、あえてリアリティを重視せずにゲーム的な見栄えを優先して創建当時の方の姿を再現をしたとのこと。 発売前の初期のインタビューなどでは主人公の名前は「バヤク」と表記されていたが、発売が近づくと「バエク」とも表記されることも増え、発売後は「バエク」で統一されている。 何故表記ゆれが起こっていたかと言うと、古代エジプトにおいて「鷹」に相当するヒエログリフがバヤクないしバエクなのだが、古代の言語なので正確な発音方法が分からないという事情があったため、このような事態が起きていたとのこと。 ちなみに、初代主人公のアルタイルや2代目主人公のエツィオの名前は同じタカ科である「鷲」に由来していたので、シリーズ再始動にあたり初期作をリスペクトしたネーミングと言える。 本作の前日談小説の日本語版が竹書房文庫より『アサシン クリード オリジンズ 砂上の誓い』の題で上下巻で発売されている。 物語はバエクが15歳の頃から始まり、最後のメジャイとなるまでが描かれている。 結婚前のバエクとアヤ、ケンサをはじめ本編で説明なしに登場したバエクの知人たちとの過去、バエクの両親の登場、バエク最初の殺し、結社の目的の一端が語られるなど、見どころ満載の一作。 なお、ゲーム本編との整合性はあまり取られていないため、小説を読んだ後にゲームに入るとテーベ訪問時に少なからず違和感を感じるかもしれない。 現代編には初期作及び『Watch Dogs(*7)』の出来事を取り上げたイースターエッグが存在する。
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「判定不一致修正依頼」にて判定と記事内容の不一致が指摘されています。対応できる方はご協力をお願いします。 ASSASSIN S CREED ODYSSEY 【あさしん くりーど おでっせい】 ジャンル アクションRPG 対応機種 プレイステーション4Xbox OneWindowsNintendo Switch メディア PS4 BD-ROM/ダウンロード併売 One/Win ダウンロード専売 Switch クラウドゲーム 発売元 ユービーアイソフト 開発元 ユービーアイソフト ケベック・スタジオ 発売日 2018年10月5日 定価 PS4/One/Win 8,400円 Switch ダウンロード 無料 シーズンパス 730日/8,400円 レーティング CERO Z(18才以上のみ対象) 備考 Oneパッケージ版は海外限定 判定 良作 ポイント 麗しくも血湧き肉躍る古代ギリシア主人公の性別が選択可能にシリーズのお約束が良くも悪くも撤廃シリーズ最大規模の圧倒的なボリューム海外で物議を醸したDLCシナリオ ASSASSIN S CREEDシリーズ 概要 ストーリー 特徴 評価点 賛否両論点 問題点 総評 余談 その後の展開 己の運命を選択せよ。 概要 ユービーアイソフトが販売するステルスアクション『ASSASSIN S CREED』シリーズのメインタイトル11作目。 前作『ORIGINS』でRPG的要素が導入されることになり、本作はこのオープンワールドRPGとしての路線を全体的に発展させたものとなっている。 舞台は前作からさらに400年ほど時代を遡った古代ギリシア。 前作はアサシン教団の始まりを描いたいわば「エピソード1」だったが、本作はそのさらなる前日談として「第一文明の遺産」をテーマにした「エピソード0」とも言える内容となっている。 ストーリー 紀元前480年。スパルタの英雄レオニダス1世は、わずか300人の部下と共にギリシア・テルモピュライにて大国ペルシャ軍に勇猛果敢に立ち向かい、名誉の戦死を遂げた。 テルモピュライの戦いから49年後の紀元前431年。レオニダスの孫である主人公はギリシア西部のケファロニア島にて傭兵として日々の暮らしを送っていた。その頃、ギリシアではアテナイを中心としたデロス同盟とスパルタを中心としたペロポネソス同盟間にて、後にペロポネソス戦争と呼ばれる戦乱が勃発し、全ギリシアを巻き込んで戦火は広がりつつあった。島から離れることになった主人公は、二大勢力の戦争に巻き込まれつつも自身の家族と出生の秘密を探る長く険しい旅へと赴くのであった。 そして2017年の現代。英雄レオニダスの槍と何者かの遺伝子が付着した本が発掘される。 アブスターゴ社からアサシン教団側へとなし崩し的に参加することとなったレイラ・ハサンは、遺物に残されしDNAを基に2400年以上もの時を越え、さらなる過去世界で何があったのかを垣間見ることとなるのであった。 特徴 2人の主人公 シリーズで初めてゲーム開始時に主人公の性別を選べるようになった。 常時2人の主人公を切り替え、並行して育てることになる『SYNDICATE』とは違い、今作は途中で最初に選んだ性別を変更することはできず、選ばれなかった性別の主人公は作中では個別のキャラクターとして登場する。 公式設定では女性主人公であるカサンドラが正史という扱いであるが、男性主人公であるアレクシオスを選んでも一部のセリフが変更されるだけでシナリオ上の相違点はない(詳細は余談を参照)。 どちらの主人公も前作同様「鷹の目」が使えないが、代わりとして本物の鷲であるイカロスがサポートしてくれる。性能的にも前作のセヌとほぼ同じ。 また、前作のアニムスパルスに相当する「透視」アビリティは、デフォルト装備ではなくなりアビリティポイントを割り振る必要はあるものの、有効範囲内の敵をマークする能力がついたため、育ちきればイカロスが呼べない洞窟内で重宝する。 選択 本作の特徴的なポイントで、過去作ではメイン・サブクエスト共に一本道となっていたが、本作では会話中の選択肢でシナリオ分岐が発生し、同じクエストでもプレイヤー自身の選んだ選択によって結末が変化するようになった。 会話によってはキャラクターの生死も左右し、現在進行中のクエストのみならずその後発生しうるクエストにも影響を与えることもある。 ちなみに、中には選択肢によっては関連する人物と男女関係になる…という物もあるのだが、古代ギリシャという時世もあって同性同士で愛を深める展開にすることも可能(*1)で、ロールプレイの幅は広い。 どのキャラクターも主人公の言動をしっかり覚えており、かなり後になって「お前はあの時〇〇と言ったな」と追及されることも。そのようにして些細な選択が後に大きな影響を及ぼしていく。 クエストは前作同様メイン・サブに加え新たにサポートクエストというクエストも登場した。 クエストの目標自体が1つのクエストとして細分化されていて、サポートクエストを全て達成すればそのクエストが進行するという、前作の一部DLC内でのクエスト形式を正式に導入したもの。 その他、主にメインシナリオ関連で達成が任意なものもあり、こちらはクリアしていると本編攻略がスムーズに進みやすくなる(*2)。 装備品 前作『ORIGIN』では装備の名前ごとにPERK(特殊能力)が固定されていたが、今回は一部のPERKがランダム付与になり、さらに1つだけ任意の能力を付与するシステムが導入された。 コモン・レア・エピック・レジェンドのレアリティがあり、基本的にレアリティが高いほど同じレベル帯での能力が高く、PERKも多く備わっていることは変わらない。 エピックは最多の3PERKを持っており、レジェンドについては2つのPERK+重複不可の強力な固有PERKまたはセット効果がある。 それに加え、さまざまな条件で追加されていく「彫刻」を刻むことで、好きなPERKを1つだけ追加付与できる。他のPERKへの上書きも自由に行える。 前作では盾のみだった防具類が『UNITY』のように頭・腕・胴・腰・足の5ヶ所に増加。 頭防具の非表示や装備の見た目変更機能もあるため、性能と着せ替えを両立できる。 武器に関してはおおよそ前作を踏襲。 ただし、ダーツ等のガジェットが廃止され各種効果を付与した矢という形で弓矢に統合され、素材を消費して矢を自分でクラフトできるシステムが追加された。 弓矢よりも敵に気づかれにくいガジェットが使えなくなったことで、投げ物に頼ったステルス排除はやや難しくなっている。 弓自体も前作における「狩人の弓 (溜め撃ちで威力が上がる)」に統合され、「捕食者の弓 (射程が長く、弾道をコントロールできる)」と「拡散の弓 (複数の敵を同時に撃つ)」の能力はアドレナリンアビリティとしてセットする形になった。「速射の弓」もDLCで同様にアビリティとして追加されている。 前作から引き続き、課金コンテンツとしてギリシャ神話をテーマにしたものなど、ユニークな装備品類も販売されている。 前作のレダの店に相当する「オリンピアのオイコス」で専用通貨のオリハルコン鉱石とストアアイテムが交換可能。ガチャに加えて週替り品も並ぶ。 ただし、オリハルコンはUbisoftアカウントに紐付けされる課金通貨のため、リセマラはできなくなった。 オリハルコンはデイリー、ウィークリークエストの達成報酬で得られる他、マップ上にも大量に配置されているため、時間はかかるが無課金で目的のアイテムを手に入れることも可能。 国力と征服戦争 本作の売りの1つが「征服戦争」で、百人以上の兵士が敵味方に分かれて乱戦するという、これまでの『ASSASSIN S CREED』に無かった大規模戦闘を体験できる。『SYNDICATE』のギャングウォーをより大規模にしたようなもの。 各都市国家には「国力」が設定されており、「兵士を殺す」「軍需物資を燃やす」「指導者を暗殺する」「軍資金を盗む」などで国力を下げられる。 国力が下がると情勢が「強大」「衰退」「脆弱」と変わり、国力が高い状態では指導者の警備が厳重で手を出しづらく、下げていくと街中の警備に回ったり、街を追放されたりされて警備が薄くなるので暗殺しやすくなる。 どの都市国家も「スパルタ」か「アテナイ」どちらかの同盟国で、国力が「脆弱」まで下がると敵側の都市国家の軍勢が攻めてきて征服戦争が起きる(*3)。この征服戦争に、「防衛側」か「攻撃側」を選んで参加できる。 領土内にあるスパルタかアテナイの陣営に居る指揮官に話しかけ、傭兵として参加を表明すると、戦場に場面が切り替わり征服戦争が始まる。参加を表明しないかぎり戦争は始まらず、国力は徐々に回復する。 戦場では既に敵味方入り乱れて戦っており、双方に戦力ゲージがある。敵の兵士や指揮官、傭兵を倒すと敵の戦力ゲージが減っていき、ゼロにすると勝利となる。 逆に味方の戦力ゲージか主人公の体力がなくなると敗北。シンクロ解除にならない代わりにリトライもない。 敵側も名のある強力な傭兵を雇い、戦闘中に名乗りを上げて参戦してくることがある。 例えばスパルタの同盟国で征服戦争に「攻撃側」で参加して勝利すると、その都市はアテナイの同盟国に変わるが、「防衛側」で勝利すると所属は変わらず国力はMAXに戻る。参加した陣営が敗北した場合の結果は、逆になる。 征服戦争に勝利すれば懸賞金がすべて解除される。また、基本的に攻撃側のほうが難易度が高く、その分報酬も多め。 なお、防衛しても攻撃しても都市の所属が変わるだけで、シナリオの変化は無い。また、指導者を殺害しても国力が回復すれば新しい指導者が赴任するので、基本的に征服戦争ができなくなる事態は発生しない。 アビリティ 前作に引き続きスキルツリー制が採用されており、アビリティポイントを消費して新たな能力を習得できる。 近接・弓矢・暗殺の3系統なのは前作と同じだが、変化点としてパッシブタイプのスキルが減り、アドレナリンゲージを一定量消費して発動するアクティブスキルが大幅に増えた。 アクティブスキルは使用ごとにわずかにライフを回復するが、[弓矢]と[それ以外]それぞれで一定数しかセットしておくことはできないため、戦い方によって使うものを決めておく必要がある。 また、一定レベル到達が習得条件となっているものが多く、他アビリティ習得が条件のものは条件となっているスキルを強化する少数に限られるため、選択の自由度も上がっている。 スキル自体のレベルアップも可能となり、威力を上げたりデメリットを軽減したりといった効果がある。 アビリティポイントは前作同様、レベルアップまたは古代の墓探索など特定ロケーションの攻略で得られる。カンスト後も一定経験値ごとにポイントを獲得できる点も変わっていない。 また、LV50に到達すると「熟練度」が解放され、アビリティポイントを消費して70以上の様々な能力を各20段階強化できる。前作のマスターアビリティのようなカンスト後の能力強化に相当するシステム。 アップデートによってレベルキャップも50 → 70 → 99と引き上げられた。熟練度を含めれば全てを強化するには1000以上のアビリティポイントが必要になり、キャップに達した後の育成のやり込み要素としては充分なボリュームとなっている。 コスモスの門徒 テンプル騎士団や古き結社に相当する、本作の敵勢力となる組織。例によって構成員はギリシア中を牛耳り、所属を隠して散らばっている。 構成員は40人以上いるが誰が門徒なのかは初期段階では不明で、手がかりを集めて正体を「暴露」させる必要がある。 メイン・サブクエストの進行や各地の探索によって条件を満たせば、その構成員の名前と現在位置をマップに表示できる。 ちなみに、メニューから参照できる構成員のプロフィールでも当初はローブと仮面を着用しているため特定は難しいが、仮面の形状から性別だけは判別できる。 手がかりを入手していない状態でも殺害可能になっている人物もいるが、隊長クラスと同等に強めになっているので、準備せず襲った場合は苦戦を強いられる。偶発的に殺害した場合でも、その後に正体を暴露できる。 全員仕留めずともエンディングを迎えることは出来るが、構成員は全員「レオニダスの槍」を強化するために必要な特殊素材を1個ずつ持っている。 さらに構成員をすべて倒せば、最後の黒幕の暴露に至り、対峙するクエストが出現する。 レオニダスの槍 主人公の祖父である英雄レオニダス1世が使っていた槍の折れた穂先。アサシン教団発足よりも遥かに昔の時代のためにアサシンブレードが存在しない本作では、主人公は第3の武器としてこれを非常に多くの場面で常用する。 各種アサシン系攻撃のみならず短剣を装備した場合はこの槍と剣の二刀流になる、ジップラインを降りる際などに使うだけでなく、シナリオ上でも第一文明人が作ったオーパーツということが判明していくなど重要な武器。 コスモスの門徒を一定数倒して十分な「秘宝の欠片」を集めることで強化できる。これによって、各アビリティによるライフ微回復量やアドレナリンゲージとスキルレベルの最大値、近接アビリティスロットなどがアンロックされていく。 傭兵 本作では主人公以外にも多くの傭兵が活動している。基本的にこちらから喧嘩を売らない限りは敵対しないが、油断すると返り討ちにあう強敵揃いとなっている。 レジェンド級の装備を持つ傭兵もおり、倒せばそれらの装備が手に入る。 また、ランクと大まかな格付けの「ティア」があり、メニューで自分より右に表示される傭兵を倒すことで上がっていく。 ティアが上がると鍛冶屋等の金額割引や懸賞金の減額など様々な恩恵が受けられる。 懸賞金と賞金稼ぎ 「一般市民や兵士を殺す」「軍の船を沈める」「物を盗む」といった行動を第三者に目撃されると賞金首になり懸賞金がかけられる。 そして懸賞金が一定額を超えるとマップにいる傭兵が賞金稼ぎとして、主人公を見つけると問答無用で襲い掛かってくるようになる。過去作の悪い噂や手配度、前作の警備兵に近いシステム。 懸賞金はおとなしく支払うか、かけた人物(≠目撃者)を気づかれずに殺す、あるいは征服戦争に参加して勝つことで解除可能。平常時の時間経過でも金額が下がっていくので、ほとぼりが冷めるまで人里を離れるのも手。 ただし、クエスト展開の一環として強制的に賞金首にされることもあり、その場合は懸賞金は解かれない。 基本的に現場を目撃されなければ懸賞金はかけられないので、気づかれずに行動することの重要性が増している。逆に傭兵と戦いたいなら、あえてある程度の懸賞金を上げておびき寄せるのも手。 アドレスティア号 序盤で主人公が船長となるガレー船。この船を自由に操り海を移動できる。 過去作の乗船同様強化要素がある。強化はメニューからいつでも行える。 ファストトラベルのポイント、予備のインベントリ、クエスト受注の掲示板があり、簡易的な拠点ともなる。 各地にある船着き場でボタンを押すと、その場に呼ぶことができる。応用としてNPCを特定の船着き場まで送り届けるミッションでは、目的地近くのビューポイントにファストトラベルし目的地から船を呼んでクリアするといったことも可能。 船には副官を配備できる。 副官にできるキャラクターごとに異なるスキル・ステータス上昇効果を持っており、海上戦や白兵戦で様々な恩恵をもたらしてくれる。 一部のネームドキャラを除く作中の登場人物は(敵や傭兵も含む)気絶させて捕獲勧誘することで、副官として採用できる。 道行く市民、モブ兵士、傭兵、特定の勢力の指導者まで採用可能。コモン・レア・エピック・レジェンドと強さに応じて4段階の区分分けがなされており、高いランクのキャラクターの方が多くの種類のスキルを持っている。 気づかれにくいがこれらのキャラはランダム生成のものが多く、付くスキルもランダム。ここにもハクスラ要素がある。 メインストーリーに登場する重要NPCは、仲間になるとその人しか持っていないユニークスキルをひっ下げてくる。シナリオ分岐次第では、仲間にならなかったり死亡したりする。 海上にはアテナイ・スパルタ・海賊・無所属の商船など様々な陣営の多様な船が往来しており、『IV』と同様に自由に襲って積荷を略奪できる。 大砲の無い時代なので、弓矢やジャベリン(投げ槍)を一斉に射掛ける攻撃がメイン。その他にも強力なゲージ技「火矢」や、「ギリシャ火」という名の火炎放射器も搭載できる。 もちろん、船首についた「衝角(ラム)」によるラムアタックも可能であり、大ダメージを与えられる。 相手の船の耐久が無くなると炎上して動かなくなり、横付けして乗り込むかそのまま撃沈か選べる。 乗り込んだ場合は白兵戦となり、甲板にある宝箱を開けて装備を手に入れることができる。 撃沈する場合は、横腹にラムアタックをブチ当てると手に入る物資にボーナスがつく。 この時、ド派手なカメラワークとともに敵船が真っ二つに裂ける演出が入り、非常に爽快感がある。 ディスカバリーモード 本編とは独立したモードで、戦闘やアイテムが無く、安全に古代ギリシャ観光ができる。前作『ORIGINS』にあった同名モードのギリシャ版。 ギリシャ各地にツアーが用意されており、地理・歴史・風習・建造物と言ったギリシャ文化(たまにゲームに実装するにあたっての裏話)を、音声や実在の資料つきで解説してくれる。 ツアー開始地点は全てマップに表示されており、ファストトラベルも可能。カテゴリごとに並べられたツアー一覧から開始することもできる。 ストーリークリエイターモード 公式サイト上で自分で自由にクエストを製作できる、RPGとしてはかなり珍しいモード。 クエスト受諾地点、登場人物、テキスト、目標地点、敵配置・行動目標などを自由に設定でき、思い通りのクエストを自作できる。 作ったストーリーをユービーアイソフトのサーバーに登録すれば、ランダムで世界中のオンラインのプレイヤーのマップに開始地点が表示され、他人にプレイしてもらうことができる。 ただしチュートリアルビデオや公式解説には日本語版が用意されておらず、投稿されたストーリーにも英語が多いので、楽しむには英語力が必要になる。 評価点 美麗なグラフィック 絵に関しては、これまでのシリーズと同様にリリース時点での最高のフォトリアル系グラフィック。 建築物や小物などの時代考証についてもこれまでのシリーズと同様に丁寧な仕事で、非の打ち所はない。 エーゲ海は、エメラルド色の南国の海原に緑の島々が浮かび美麗で、スクリーンショットのパッと見では実写と見間違うほどよくできている。 前作のエジプトの砂漠地帯は、見渡す限りの砂や褐色の岩場で異国情緒あふれる他にない体験ができたが、緑豊かで肥沃な古代ギリシャはそれと対照的な色合いで、花の咲き乱れる草原やオリーブ畑に様々な工芸品で飾られた街区など彩度の高い美しい景色と街並みを堪能できる。 古代ギリシャといえば白い大理石の像や神殿のイメージだが、近年の研究では極彩色の塗料や宝石で豪華絢爛な装飾が施されていたことが分かっている。 本作はこの色あせる前の色彩豊かなギリシアを心ゆくまで探索できる。 説明不要のパルテノン神殿や、本作の時代で既に廃墟になっている広大かつ複雑なクノッソス宮殿など、有名どころの再現もバッチリ。 特に現代では当時の面影がほとんど残っていないデロス島などは比べるとその往年の繁栄ぶりやユービーアイソフトの歴史考証についてのこだわりぶりを感じられるだろう。 シリーズ通しての評価点であるがパルテノン神殿やデルフィ遺跡群といった歴史的建造物に大胆にも掴まって登ってしまえるのも貴重な疑似体験と言える。 ゲーム開始地点のケファロニア島には巨大な雷神ゼウス像が用意されており、インパクト抜群の見た目である故に思わずアレに登ってみたいと思わせる仕掛けになっている。 パルクールアクションを能動的にやりたくなるような入口としてよくできた一物と言えるだろう。ゼウス像は頭上にビューポイントが置かれているので、登る行為自体も無駄にはならない。 人物描写も前作から進化しており、肌や髪は実写と見まがうばかりで、特に表情筋の細かい動きがリアルになっており登場人物の細かい感情の動きが分かるようになっている。 超特大なボリューム 前作で十分に広かったマップだが、本作ではなんとその3倍に広がっておりエーゲ海を股にかけた大冒険が楽しめる。 とはいえこれはマップの大半が海を占めるためで、陸地の広さ的には前作とほぼ同じ程度ではある。 その分、前作の砂漠エリアのようなロケーションやサイドクエストがほとんどないエリアといった無駄が減っており、大抵のエリアではやることも増えているので密度が薄くなったわけではない。 海底にも沈没船や海底洞窟といったお宝が眠っている場所が点在するため、素通りするのはあまりに勿体ない。 さらに、DLC第2弾「アトランティスの運命」では小さめのマップが3つ追加される。 長い本編シナリオに、膨大な数があり選択肢によるリプレイ性もあるサブクエスト、経験値と資金稼ぎのための掲示板で請け負える自動生成クエスト、総勢50人のコスモスの門徒との対決、並居る強力な傭兵を倒してのランク上げ、闘技場での勝ち抜き戦、伝説の動物の狩猟、ハクスラ要素がある武器防具の探求、熟練度システムによる能力強化・征服戦争・砦の攻略戦・海戦と船の強化・美しいマップの探索とフォトモードなど、200時間あってもまだまだ足りないほどの様々な遊び要素が詰められている。 史実とのシンクロ、歴史上の偉人との絡み 人類史上初の歴史家「ヘロドトス」・民主主義の父「ペリクレス」・哲学の祖「ソクラテス」・医学の父「ヒポクラテス」…とギリシャ史に名だたる大物たちが登場し、主人公と会話したり協力しながらシナリオが進行する。もちろん登場する偉人全員が味方というわけではなく、ペリクレスの政敵「クレオン」など主人公と敵対する偉人もいる。 他にも「アリストクレス (後のプラトン)」・芸術家気質な劇作家「アリストファネス」・スパルタの偉大な将軍「ブラシダス」・スパルタを統べる王「アルキダモス1世」等々枚挙に暇がない。さらにかの「レオニダス1世」は主人公の祖先であるだけでなく、チュートリアルでプレイヤーが操作するキャラというインパクト抜群の導入を見せてくれる。 こうした人物たちがしっかりと話に絡んでくるので、歴史好きにはたまらない展開となる。 あまりギリシア史に詳しくなくとも、教科書に載っているレベルの偉人が続々と出てくるので、本当に古代ギリシャを旅している気持ちでプレイできる。 また、これらの人物が特別な人ではなくこの時代に生きている一個人として登場するのがポイントで、いずれも人間味ある描写がされているのも特徴的である。 中でも哲学者ソクラテスは、特徴的な声と喋り方をし、会うたびに主人公に様々な問答を吹っかけ、同志として主人公をサポートするなど、特に印象深い。 彼が関わるクエストでは、どの選択をしても色々と考えさせられるセリフや結末が返ってくる。 プレイアビリティの向上 手動セーブが可能になった。手動セーブスロットもほぼ無制限(*4)。 ボタンを2回押すだけのクイックセーブも可能で、シンクロ解除(ゲームオーバー)時の巻き戻しも最小限に抑えられる。 その代わり、高警戒領域でセーブ不可であるうえ収集品チャレンジが即オートセーブされなくなったので、今までのようなオートセーブに頼ったプレイはできなくなっている。 高所から飛び降りてもダメージは受けるが死ななくなったため、落下死のリスクはほぼ無くなった。 さらに、レベルが一定以上になると落下ダメージがゼロになるので、飛び降りる場所を気にせず自由に探索を行える。 全ての操作を、全ての好きなキーに割り当てることが可能になった。 このような完璧なキーコンフィグを実装したゲームは2018年においても希少で、大きく評価できる点となっている。 どのように割り当てるかはプレイヤーの自由だが、当然ながら同じボタンに複数のアクションをアサインするとプレイに支障が出るので注意は必要。 面白味の増した戦闘システム 前作の戦闘システムをブラッシュアップしており基本は、弱攻撃・強攻撃とパリィ・ステップ回避・ローリング回避があるオーソドックスな3Dバトルアクション。 剣や短剣は1対1に優れ、杖や槍は多人数に適している。無双シリーズのような…というと言い過ぎだが、作り分けがしっかりしており爽快感も味わえる。 レベルアップ時に貰えるポイントでアンロックできる戦闘系のアビリティが豊富で、さまざまな戦術を組み立てることが可能。 特に序盤から習得できるアビリティ「スパルタキック」は、ヤクザキックで相手を吹っ飛ばす、映画版『300 (スリーハンドレット)』をオマージュ(*5)した豪快な技。 敵を殺害せず気絶させるため副官集めにも有用なだけでなく、場所次第ではどんな敵も高所から突き落として落下ダメージで殺したり、海に落として無力化させるなど使いみちが非常に広いスキルで、本作の戦闘における代名詞的存在となっている。 しかし、敵のレベルが上がると多くの敵が吹っ飛び耐性を獲得するようになり、これ1本で全てが解決するわけではない設計になっている。 武器防具についている特殊効果による能力も多様で、色々なビルドを作る楽しみがある。 装備のセットを登録しておきすぐ切り替えることができる、ロードアウトの機能もアップデートで追加された。 バフで強化して無双する、遠距離攻撃を駆使して近寄らせずに倒す、一撃必殺のアビリティで着実に殺していく、武器ごとに違う通常攻撃やタメ強攻撃をうまく駆使するなど、様々なスタイルの戦闘が楽しめる。 後半ではミノタウロスやメデューサ、キュクロープス(サイクロップス)など、伝説上の怪物との戦いもある。 ミノタウルスを閉じ込めるためのラビリンス、メデューサの石化の森など神話の要点をしっかり押さえた舞台も用意されており、元ネタの神話を知っている人も知らない人もワクワクできること請け合い。 そのような実在しない生物が登場する理由付けもちゃんと説明されている。 + ネタバレ注意 怪物を倒すと、主人公はその死骸から光る玉を取り出し、その玉から流れ込むエネルギーに支配されそうになるが逆にそれを制御して自分の持ち物にする様子が描かれる。主人公が去った後には、干からびた人間が横たわっている。 光る玉は第一文明人の作った強力なオーパーツで、手にした人間に怪物のようなパワーを与えるが、制御する能力の無い者はパワーが暴走して自我を失い、最後には全てを吸い取られて理性のない怪物になるというもの。 主人公は第一文明人の血脈を引き継いでいるため、これを制御できることが、言語的な説明抜きで示唆されている。 ギリシャ各地の特別な地に、尋常ではない体格の強力な野獣「伝説の動物」が待ち構えており、これらを狩猟するクエストがある。 それぞれ特徴的な能力を持っており、軍の兵士や傭兵などとは全く違った戦い方を求められ、バトルエリアから出るとリセットされるので無補給でのガチンコ勝負となり、新鮮味がある。 伝説の動物には全て「エリュマントスの猪」「ケリュネイアの鹿」「ネメアの獅子」などギリシャ神話に登場する獣の名前がついている。 ちなみに「伝説の動物」は英語版だと「Alpha animal」と表記される。猿山の大将や群れのボスなど集団で1番の生物個体を英語では「アルファ」と呼ぶのだが、これはギリシャ文字でアルファが1番目に来ることが由来(*6)。 大幅に上がった自由度 前述のように膨大なサブクエストや広大なマップ探索に加え、今までのシリーズでは禁忌に近かった一般市民の殺害も結構ペナルティが低減された(*7)などからプレイスタイルの幅が大きく広がった。 海賊や盗賊を討伐して回るもよし、野生動物を狩って素材を売りさばいて生きるもよし、軍船や民間船を襲う海賊になるもよし、軍の施設に殴り込み、賞金稼ぎを返り討ちにしたりして賞金首になるもよしと、プレイヤー次第で様々な傭兵ライフが満喫できる。 一般人はむしろ非常に好戦的で、戦闘に巻き込まれると武器を拾ってプレイヤーに襲い掛かってくる。耐久力は低いが倒してもアドレナリンが貯まらない上にガンガン懸賞金がかかっていくので、人口密集地で戦闘になると次々に衛兵や賞金稼ぎが乱入してきて大惨事に陥ることになる。 お使いゲーからの脱却の試み オプションの設定で、マップにクエストマーカーを表示せず、人から聞いた話やクエストログの「○○地方の□□の集落の東側にある△△な地形のそばで~」といったヒントを元に目的地を探すモードに切り替えることができる。 オープンワールドRPGでさんざん言われてきた「マーカーを追いかけるだけのお使い」から抜け出すための新しい試みで、程よい謎解きをしながらクエストを進められる。ついでにギリシャの地名にも詳しくなるかも? これが煩わしいと思う場合は、オプションで従来どおりのマーカーを表示するクエスト進行のままにすることもできる。 秀逸なシナリオ 生き別れた兄弟と大人になってから再会したら敵と味方に分かれていた、という家族間の確執を描く王道的シナリオ。 元の1つの家族に戻ることを目指すもよし、敵として徹底的に対立するもよし、その他の選択もあり自由度が高い。要所や最後の戦いに向けた盛り上げ方も上手い。 メインシナリオの分岐しだいでは、登場人物が仲間や敵対関係になったり死亡したりするが、どのルートも矛盾がほぼ無く快適な物語体験ができる。 本作にスタッフロールつきエンディングは無く、ある食事シーンが事実上のエンディングなのだが、スタッフロールやタイトルコールといった合図がないのでそうと分かりにくい。これまでの選択によってその光景は変わる。 「古代ギリシャ」であることを生かしたシナリオも多い。 現代でも様々な創作物にギリシャ神話の神の名が使われているため、聞き覚えのある神は多いだろうが、サブクエストでは様々な神の性質や逸話について触れてくれる。 民主主義や科学的な医療、哲学などが産まれたのもギリシャで、それらを題材にしたクエストやシナリオもしっかり用意してある。ゲームを楽しむほどに神話や社会の知識を身につけられるかも? 性におおらかなな市民性というのも再現されている。ギリシャ市民は享楽的で男女関係なく性に奔放であったが、本作でもそれが反映されている。 さらには同性愛も同じように自由であり、主人公の2人もサブストーリーなどで同性愛を愛することもある。正に古代の性風俗が味わえる。 シナリオ分岐により、様々な主人公を「ロールプレイ (役割になりきって演じること)」ができる。 サブクエスト中の選択肢でそのシナリオの結末が変わる。そのときの自分の考えに従っても良いし、「この主人公はこういう奴だ」と性格を設定して受け答えし、なりゆきを楽しむことができる。 メインシナリオの分岐は全て会話中の選択肢によるため、ゲームの腕前などと関係なく全てのシナリオを網羅することが出来る点も評価できる。 本作ではオートセーブ・クイックセーブも含めセーブスロットが豊富なので、選択肢の直前にセーブして全ての択を見ることもやりやすい。 ディスカバリーツアー 前作と同じく、戦闘などのゲーム性を排除してフィールド上で古代ギリシャの擬似的な観光・学習が可能なモード。これが無料アップデートで追加されたのは太っ腹と言うほかない。 3Dアクションゲームが苦手な人でもアサクリとはどんなゲームか触ることができるし、ギリシャの知識が無い人はもちろん、歴史好きでもなかなか知らないようなマニアックな点を掘り下げたりしているので、どんな人でも楽しめる。 開発の裏話や、史実とは異なるがゲームを面白くするためにアレンジを加えた点の解説などもあり、本編の後にプレイすると楽しみが増える。 もちろん、広大なオープンワールドを何の障害も無く自由に探索が可能。本編をプレイしなくても、これだけのために買っても良いくらいのボリュームとなっている。 本編ではおいそれとは入れない要塞や砦にも普通に入れる。構造を研究して本編での潜入に活かすこともできるかもしれない 賛否両論点 これは『ASSASSIN S CREED』なのか? 『IV』以降時折『ASSASSIN S CREED』らしくないと言われる作品もあったが、本作は特に言われやすい。おそらく『IV』以来もっともこの議題が再燃したのが本作であろう。 事実、本作はアサシンブレードや教団対騎士団というシナリオの基本構造、ソーシャルステルス要素、殺した相手と対話する暗殺空間シーンなど、シリーズの特徴的な演出がほとんど廃止され、長い付き合いのファンからの賛否は分かれている。 特にシリーズトレードマークのアサシンブレードに至っては、長い期間続いているシリーズの中でも主人公が使うどころか所持することすら無い唯一の作品であるため、世界観上で『ASSASSIN S CREED』らしく無さが目立ってしまっている。主人公はあくまでスパルタの傭兵なのもあってプレイヤーから「スパルタクリード」なんて称されることも…。 また戦闘においても、周囲に衝撃波を飛ばしたりワープをしたり、壁を透過する矢を放つなどいかにもゲーム的なスキルが多数追加されている。しかも強い。 これに関しては第一文明由来の力によるものという理由付けはあるが、過去作で主人公サイドが秘宝の力を使う時にはやむなく追い込まれた状況や敵が用意していたものを逆利用するというシチュエーションがほとんどで、本作のようにゲーム開始当初から積極的に使う作品は存在しなかった。 確かにアクションRPGとしては面白いが、『ASSASSIN S CREED』にこうした超常的な力を使った無双要素は求めていなかったという声もある。 さらに、近接・弓矢の炎・毒付与アビリティなどは敵も普通に使用してくる。 とはいえ、ちゃんとターゲットの身辺調査を進めて殺害するといういかにも暗殺者らしいことをしていたのは初代ぐらいだという意見もある。 『ORIGINS』よりも古い時系列のためアサシン教団関連などは本編では描かれないが、DLC「最初の刃の遺産」では過去のシリーズで言及されていた事件が描かれ、アサシンブレードも登場するため、当初の批判もDLCリリース後は落ち着いてきてはいる。 最終的に本作でカットされたお約束の類は全て次回作『VALHALLA』で復活。また、ワープ攻撃や落下ダメージ無効・暗殺死体の消滅など極端に現実離れしたアビリティは廃止された。 ファンタジー要素 前作でも夢やアニムスのバグといった形でエジプト神話の神や怪物と戦ったり、DLCで葦の原野やドゥアトなど、エジプト神話の死後の世界をかたどった幻影のマップに行けたが、本作ではミノタウロスらギリシャ神話の怪物達がストーリー本編に登場する。 さらに、DLCではハデス(冥府)やエリュシオン(天国)に赴き、神話の神々や本編で死んだ人物と再会することになる。 ただし前作のそれらと違い、きっちりとシリーズの世界観に沿った設定が用意されており、作中で説明されている。 しかし、その描写や説明が小難しかったことから世界観描写を勘違い(*8)する人が多かったらしく、『VALHALLA』ではよりわかりやすく理解しやすいように工夫された。 新たに導入された選択システムだが、そもそもこのシステム自体が『ASSASSIN S CREED』の「遺伝子記憶の追体験」という設定に反しているのではないかという意見がある。 評価点項目の記述の通り、選択肢によって物語の途中展開や関わる人間たちの生死すらある程度変化してしまうのだが、過去の追体験である以上「〇〇年に××の場所で△△が死亡する」といった歴史は決定事項なわけで、そこを状況次第でどうにでも改竄できるのはおかしいのでは?というのが主なもの(*9)。 一応、レイラのアニムスには「時間を超越して世界そのものを改変できる域に到達する可能性はある」という伏線自体は前作で張られている。 さすがに史実上の人物の生死の分岐は避けられている。 だが、期間限定かつそうと分かりにくいイベント故に見ていない人も一定数存在し、本作でシリーズ作に久々に復帰したユーザーなども加えて賛否が分かれることになってしまった。 もちろん伏線を張っているからとは言え『ASSASSIN S CREED』でそのような展開をあまり望んではいなかったというユーザーも存在するが。 他方、プレイヤーが介在する余地のないゲームであれば「一本道ゲー」と揶揄されてしまう場合もあるわけで、なかなか難しいところである。 過去シリーズと設定やシナリオを切り離してゲーム体験だけを見た場合、これらは改良だとみることも十分にできる。 海戦の必要性 シリーズに新たな要素として組み込まれた『III』や海賊が題材だった『IV』は海戦に十分な理由があるが、『ROGUE』の時点で理由付けは弱く、本作でも海シナリオ上の海戦の必要性が薄く、「過去作で人気だった要素なのでなんとなく入れた」感がある。 『IV』の時点でも、「海戦には興味ないしアサクリらしくもない」という意見のユーザーは大勢いた。そういったプレイヤーからは、いい加減海戦よりも他の要素を充実させて欲しいという気持ちが強いだろう。 時代設定的に仕方がないのだが、数十門の大砲をドカドカ撃っていた『III』~『ROGUE』に比べると絵的な迫力に劣るという声も。 もっとも、強化するとえげつない速度で火矢や槍を放つことになるので凄まじい絵面にはなる。 ただしこれらは過去の海戦が導入されていた作品を遊んでいたプレイヤーからの意見が中心で、本作ないし前作から始めたプレイヤーからは疑問の声はあまり聞かれない。 古代ギリシャという舞台設定上、風光明媚なエーゲ海をまたにかけて濃厚なバトルが出来る点を見れば、ゲーム体験のリッチさに寄与している点は疑う余地が無い。 「ポリティカル・コレクトネス (政治的な正しさ)」関連 当シリーズは作中年代における男女の社会的地位や扱いについて、ストーリーの都合や現代における現実世界でのフェミニズム論者への配慮の影響で意図的に史実とは異なる部分が存在する。 これ自体は過去作から行われてきたことだが、シナリオに大きく絡む部分ではなかったりしたため、特に取り沙汰されることは無かった。 本作では中盤で主人公がオリンピックに出場するという展開があり、カサンドラ(女性主人公)でプレイした場合は看過しがたい違和感が生じてしまっている(*10)。主人公選択制を導入したが故の弊害と言える。 もちろん『ASSASSIN S CREED』世界のオリンピックは史実とは別物という解釈できなくもないが。史実どおりなら全裸で出場しないとダメだし。なお、言うまでもなくアレクシオス(男性主人公)を選んだ場合はこの限りではない。 DLC編のストーリーについて + ネタバレ注意 DLC1「最初の刃の遺産」では強制的に異性と恋仲になり、子供を授かる展開になる。 本編のサブクエストでは恋愛するしないも性愛の対象もプレイヤー次第だが、このシナリオでは明確に「異性と交際し子供を設ける」という選択しか用意されてない。 とりわけ同性愛者や性自認のないユーザー(及び主人公がそうした性的指向を持つ人間のロールプレイしていたユーザー)やそうした性的少数者の支援団体がこの点を批判し、ユービーアイソフトは火消しのために謝罪と修正に追い込まれる事態となった。 こうなってしまったのは主人公の遺伝子を受け継ぐ者を作らなくてはいけないという過去作及び次回作以降へ設定上の事情によるものと言える。 しかし、アップデートで入った修正もまさに臭い物に蓋をするような投げやりな対応だったために、なおも批判を招くことになってしまった。 言ってしまえば、特に欧米で活動が盛んになっているポリティカル・コレクトネス陣営に着目され一斉に放火された不運な対象が本作であったわけだが、わざわざ起動時に毎回「信条や性的指向、性別認識など様々な異なる文化的背景を持つチームにより製作されました」という旨のテロップを表示するほどの開発体制でありながら、こういった事態を招いてしまった。 昨今、大規模タイトルであっても主人公を男女選択できるゲームが増えているのはまさに性的少数者への配慮の結果であり、本作もその流れに乗って男女選択と自由な恋愛ができる丁寧な本編シナリオ作りであったのに、その配慮した対象から一斉に攻撃を浴びてしまったことは、何とも皮肉な話である。 また、発売元のユービーアイソフトは自社作品にポリティカル・コレクトネスを積極的に取り入れる傾向があるため、そんな会社がこのDLCを検閲せずにリリースさせてしまったことにも違和感がある。 現代編について 前作と違い、自由にアニムスを出ることはできず、レイラを操作できるのはメインストーリーとDLC2の限られた機会のみ。 アニムスを出るたびにメニュー画面に読み物の追加があるが、見逃すと次の機会まで読めない。 本作の数ヶ月前に発表されたコミック(日本未発売)の後日談的な側面があり、コミックを読んでいないと理解できない部分が多い。 レイラとアラナ以外の登場人物は全員が日本未発売のコミックや小説が初出であり、キャラの掘り下げも無く全員を知っている前提で話が進んでいく。 『SYNDICATE』のデータベースにも一部メンバーが登場しているが、日本版ゲーム本編での詳しい説明は一切無い。 前々作で復活フラグを立てておきながら前作には影も形も無かったジュノーが何時の間にか死んでいる。これは上記のコミックで復活と最期が描かれたため。日本人ユーザーの多くは『BROTHERHOOD』から続く因縁の結末を見ることができなかった。 本編終盤には大きなサプライズが用意されているが、DLC2で描かれるその後の展開は何とも評価しがたいものとなる。また、DLC2のプレイを前提にしているため、未導入だと尻切れトンボ気味になってしまう。 問題点 前作で問題視されていたレベル制の改善がない エリアごとにレベル上限が設定されているが、どの難易度でもプレイヤーレベルの上昇とともに敵レベル下限が上がっていく。 加えてレベルが2~3以上低いとEASY設定ですら戦力差が極めて激しいという点が同じになっているため、レベルが3ほど高いエリアでは敵とはまともに戦えない。 序盤で船が手に入りメインクエストの目的地へ直行できるようになっているので、不自然に迂回させられる感は少ない。 EASYでは敵のレベル下限とプレイヤーレベルの差分を設定するオプションが使用可能で、0,2,4レベル低い分から選択することができるが、難易度NORMAL以上では固定。難易度設定に制限がある実績がないのが救い。 選択が重要というコンセプトだが、選択肢絡みで色々と問題がある この手のゲームにありがちで、実際に選んでみたら予想と異なるニュアンスだったということが多々。どちらの選択肢でもハッピーエンドとは言い難い結末になる場合も。 一部のクエストはフラグ管理が中途半端。あるクエストでは、とある人物を殺害すべきか否かという選択を迫られるが、クエスト開始前にその人物を殺害した場合も選択肢が消えず、後者のルートを選ぶと展開がおかしなことになる。特に壁貫通矢を使っているとそうなる可能性が高い。 しかも、その人物はオープンワールド上に普通に敵として設置されているので、寄り道して砦攻略に励んでいると普通に殺してしまう。 また、ほとんどのクエストアイテムはクエスト受注前から入手可能なことが多い。 これを事前に探索済みだと選択肢が飛ばされるならまだしも、その場合背景が語られずに消化不良なままクエストが完了になってしまう、ということもある。 天秤マーク(嘘)の選択肢を選ぶメリットがあまりに無い。 前作に比べて馬の動きが体感的に悪く感じると言われることがある 恐らく前作に比べマップの起伏が激しく急斜面や人の高さ程度の岩石など「人間では登れるが馬が登りにくい地形やオブジェクト」が増え、エジプトの砂漠のような広い地形が減ったのが原因と思われる。 動物や敵の攻撃を数発喰らっただけで転倒してしまったり、街の近くなど速度が遅くなる場面も多い。 ビューポイント 最初期版はビューポイントが少なく、高速移動箇所が少なかった。 本シリーズは原則的にビューポイント=ファストトラベル地点なので、目的地の近くにFT地点が無いと移動のわずらわしさが大きい。 その後アップデートで各地の船着き場にもファストトラベルができるようになっただけでなく、ビューポイント自体も追加され、ある程度改善された。 とはいえ今でも偏りはあり、特に1か所しかないマリスと3か所しかないマケドニアがあるマップ北西部がアクセスしづらい。 他でも同じ程度しかないエリアもあるが、それらは他からアクセスができたりエリア自体が狭い等であまり気にならない。 対して、上記2エリアはそこそこ広いうえに他のビューポイントからも距離があり、徒歩や馬での長距離移動を余儀なくされる。 マケドニアについては、本作の時代設定から100年後に有名なアレクサンドロス大王が即位し一大帝国を築く伝説の始まりの地だが、本作の時点では弱小都市であり僻地として扱われている(*11)。 またファストトラベルでのロードがほどほど長い。PCで快適にプレイしたいならSSDは必須。 グラフイック 確かに景色は美麗であるが、人物や背景は近くに寄ると3Dモデルが荒れやすく、中身が見えてしまう。 NPC まるで反応が薄く、ただのモブを通り越して草や木としか言えないような動きしかしないことがある。 総評 広大かつ緻密に作られた大地と海、複雑すぎない戦闘システム、プレイヤーに遊びの幅を持たせる要素…とAAAタイトルに求められるポイントは押さえており、様々な賞を受賞しGOTY候補にも選ばれるなど、一般的観点から見れば高評価のゲームである。 前作の舞台であった古代エジプトに比べると古代ギリシアは創作作品の題材になりやすいものの、やはり我々が今を生きる世界から2400年以上前の過去世界を疑似体験し人類史に残る偉人たちと交流できる作品というのは他に例がない唯一無二の作品と言える。 しかし、シリーズが纏っていた神秘的な雰囲気は薄れてしまっており、前作での問題点も改善しきれてなかったりと過去作から通して遊んでいるファンが諸手を挙げて賞賛するかというと疑問符がつく。 DLC編の一件が代表されるとおり外野から政治信条・ジェンダーの議論に巻き込まれる災難もあった。 プレイ体験面に焦点を当てれば、過去作に比べより「ゲームらしく」改良されており、完璧なキーコンフィグやシナリオ分岐の楽しさ、UIの改良、薄めの現代編など過去の『ASSASSIN S CREED』が合わなかったという人ほど勧めやすいという、ある意味シリーズの異端児ともいえるゲーム性を持った作品である。 『ASSASSIN S CREED』という名前にこだわるシリーズファンには気になる点が多いかもしれないが、前作に引き続き「古代世界史RPG」としては良作という評価が妥当であろう。 余談 Switch版は「クラウドゲーム」となっており、オンライン接続できる環境でのみプレイ可能となっている。 これは、コントローラの操作をサーバに送り、その結果の映像だけがサーバから送られてくるというもの。 クラウドゲームとしては遅延は少な目で、携帯モードでも遊べる。 通信速度さえ確保できれば、他のコンソールより3D描画能力に劣るSwitchでも、最新鋭PC並みのグラフィックでプレイできる。 ソフトとしては通信して映像を写すだけなので50MBと軽い。 最初の20分は無料で、あとは8400円で730日間(丸々2年)利用できる利用券を買う。この形式でしか購入できず利用券のセールは行われたことがないため他機種版に比べ割高になりやすい。 その他、PC・CS機を所持していない場合は選択肢となるし、ソフトが手元で動いていないという現代ならではの不思議な体験をしたい新しい物好きにもオススメできる。 + Switch版とPS4/One版の比較動画 企画段階では女性主人公のみの予定だったが、この件に関してユービーアイソフトの上層部から「主人公が男性でなければ売れない」との横やりが入りやむなく選択制にされたことが2020年度のユービーアイソフトに関する内部告発の一環として明らかになっている。 その一方で、発売から数か月後の時の公式発表によると全プレイヤーの3分の2のユーザーは男性主人公でプレイしていたことが報告されている。 この3分の2のユーザーが仮に女性主人公しか選択肢がないのであれば買わなかった、というほどの強烈な拘りを持っているとは思えないが、『ASSASSIN S CREED』に関しては男性としてプレイしたいという要望の方が多いのは事実として存在すると言える。 もちろん残りの3分の1のユーザーはカサンドラでプレイしたのもまた事実ではある。上層部と開発者としては製品版の仕様は双方にとって妥協点止まりだったのかもしれない。 結果的に言うと、どちらか一方にこだわらず選択の幅を与えた製品版の形が最も理想的な形だったと言えるだろう。 しかし、2021年12月14日の無料アップデートで追加された下記『VALHALLA』とのクロスオーバーにて、本作の主人公はカサンドラが正史であることが確定してしまった。 同時配信の『VALHALLA』側におけるクロスオーバーでも本作の主人公はカサンドラとして扱われているため、発売から3年経ってシリーズコラボを行うにあたり、改めて企画当初の女性主人公ということを正式化せざるを得なかったと言えるだろう。 2023年11月16日に発売された歴代主人公を操作できるVR作品『ASSASSIN S CREED NEXUS VR』でも、本作の主人公はカサンドラという扱いになっている。 2021年12月に大手ニュースサイト『ねとらぼ調査隊』で行われた「アサシン クリードシリーズで一番好きなのは?」というアンケートにおいて本作が1位に選ばれた。ランキングはこちら。 その後の展開 2020年11月にシリーズ最新作『ASSASSIN S CREED VALHALLA』がPS5/XSX/PS4/One/Winで発売された。9世紀の北欧に舞台に、新たな定住の地を求めヴァイキングである主人公・エイヴォルがイングランドへと民を導く。 システム面ではアクションRPGの体裁こそ変わらないがレベルが装備含むパラメータに関わらなくなり、スキルポイントでのステータスアップが主体になるなど、思い切った変更がされている。 また、次世代機であるPS5/XSXのローンチタイトルでもあり、旧世代機版は無料アップグレードに対応している。ゲームエンジンも初代のScimitarから数えて5代目になる「Ubisoft Anvil」が初採用された。 ただし、日本語版は表現規制により流血描写が一切無かったため、発売時点での評価はかなり低かった。ゴタゴタがあったものの、現在はアップデートで再導入されている。 なお、この『VALHALLA』はユービーアイソフト史上2番目に大きな利益を上げていることが公式で発表されている(参照)。 2021年7月にシリーズの次作となる『ASSASSIN S CREED INFINITY』の開発が発表された。発表時点での対応機種及び発売時期は不明。 『INFINITY』はシリーズの開発を担ってきたユービーアイソフトのモントリオール・スタジオとケベック・スタジオでの共同開発となる。 また、シリーズ初となる継続的に開発が続けられるライブサービスのオンラインプラットフォームを採用、時間と共に進化する息の長いタイトルになるとのこと。 さらに、これまでは作品ごとに舞台となる時代設定が決まっていたが、『INFINITY』では1つではなく複数の時代が舞台となることも明らかとなっている。 その後、2022年9月に『INFINITY』が1本のゲームではなく様々な異なる体験を繋げる次世代の巨大プロジェクトであることが明かされた。 同時に、その第1弾として日本を舞台とした次世代のオープンワールドアクションRPG『ASSASSIN S CREED CODENAME RED (仮称)』を含む3本が発表された。 2022年9月にシリーズ最新作『ASSASSIN S CREED MIRAGE』が発表された。『VALHALLA』から20年前のバグダッドを舞台とした、シリーズの原点回帰となるアクションアドベンチャーである模様。 対応機種はPS5/XSX/PS4/One/Winで、2023年10月5日に発売された。